7月の声を聞くと、おしりがむずむずしてきます。なぜって?・・・
それは、夏休みがすぐそこまで来ているからです。
あんなことをしよう、こんなこともできるかな、と考えるだけで
わくわくします。地図を広げて旅行の準備を始めるのも今頃ですね。
旅行会社に聞くと、夏の国内旅行の一番人気は、北海道。それも、
旭山動物園を回るコースだそうです。その旭山動物園の飼育係を25年間も
していた人が絵本を作りました。さて、どんな動物たちに会えるでしょう。
さあ、動物園の開園です。
雪がとけはじめの日、春をみつける
―ゾウの長い鼻とキリンの長い舌がのびています。
ポカポカ陽気の日、カワウソとひるね
―うとうとうと・・・とても持ちよさそう。
タンポポ いっぱいの日、クジャクとおはなし
―小さな女の子が1時間もはなしてたって
ノラネコがないた日、ライオンに予防接種。
―ライオンも「イタクナイ、イタクナイ」?!
オタマジャクシがおよいだ日、ダチョウの夫婦げんか つづく
―あら、まあ・・・
カミナリがとおくでなっている日、写生会
―こどもの絵には、どんな画家もかないません。
セミがうるさい日、台風の日、ひこうきぐもがうかんだ日、赤トンボ 空いっぱいの日。
空気ひんやりの日、ゴリラに哲学ならう
―ゴンタの背中が、ゆうやけに映えています。
ハクチョウがわたってきた日、ふりしきる雪の日、クリスマスの前のまえの日、お正月。
さむいさむい日、とおくの山からクマゲラがやってきた
―ヒュイーン、ヒュイーン・・・
こうして、毎日、休むことなく、どうぶつたちの事件はつづいていきます。
この絵本ができた1994年、作者のあべ弘士さんは、まだ、飼育係を
していました。25年間の日々の動物たちとの暮らしの中で、
生まれた絵本です。
今まで、見たことも触れたこともないような動物たちの姿が、
たくさん詰まっています。この1冊で、動物たちのことだけではなく、
飼育係の仕事や、それぞれの季節の美しさや厳しさ、人々のいとなみや
気持ち、そして、なにより、生命の大切さが伝わってきます。
この絵本の中に、生命の輝きが満ち溢れています。
○○の日という、詩のような書きだしに、次はどんな日、その次は、
どんな動物かしら、何が起こるんだろうと、どんどん引き込まれていきます。
絵も、柔らかな線画に色づけされたシンプルな画面が、
より動物たちの表情をいきいきとさせています。写実とは別の
リアルさが迫ってきます。作者のあべさんの、温かいまなざしが全体を
包んでいます。
こんな飼育係に守られた動物たちが、動物園を訪れた人々をも、温かく
迎えてくれるのでしょう。それが人気を集める理由なのかもしれません。
私は、ぜひ夕焼けのきれいな時間に、ゴリラのゴンタに会いに行きたいです。
(赤鬼こと山ア祐美子)
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もう、南の地域では梅雨入り。そろそろ、雨具の用意が必要な気配のこの頃です。
雨が降ると、あたりの緑が一層鮮やかにきらきらします。水には、いろんなものを
輝かせる力があります。そんな大切な水、そのひとしずくの大冒険のお話です。
さあて、何が起こったのでしょう・・・しずくの声に耳を傾けてみましょう。
あるすいようび むらのおばさんのバケツから ぴしゃんとしずくがとびだした。
しずくは ひとりぼっちでたびにでた。ところが とたんにねずみいろ あたりは ほこりでいっぱい。みずのしずくはきれいずき みずはきれいでなくちゃ・・・そうだ せんたくやさんにいってみよう。ところがおみせはドライクリーニング しずくがかわいてしまう。
それなら おいしゃさんにいってみたら ばいきんだらけのしずくをきれいにするには
なべでぐらぐらにるんですって?そんなことはいやよ まっぴら!しずくはにげだした。
おひさまがぎらぎらてりつける これはどうしたことでしょう?しずくはみえなくなって
くものところへのぼっていく みるまにくろくもひろがって しずくはあめになって ぱらぱら
じめんにあともどり。おちたところが いわのわれめ あれあれ どんどんひえてきた
しずくはさむくてぶるぶる とうとう しずくはこおりのかけら。でも そのちからのつよいこと
ダイナマイトみたいに いわをこなごなにしちゃった。それからそれから、まだまだ、
ぼうけんはつづいています、さいごにしずくがたどりついたのは・・・・
絵本のジャンルに科学絵本と呼ばれるものがあります。この絵本もその一つ、
とも言われています。科学絵本といっても難しいわけではありません、内田さんの翻訳された
言葉のテンポが良くて、リズムがあって、読んでいても楽しくなります。
1965年、ポーランドで描かれた作品、もう40年以上も読み継がれている人気の絵本です。
水道の蛇口をひねって、水はどこからくるの?どうやって?
その?が科学の始まりです。今、子供たちの理科離れが話題になっていますが、
授業の時間を増やすことより、子どもたちに、幼児期から科学への入り口を
創ってあげることが重要だと思います。そういう絵本が沢山あります。
子どもたちが、あれ?なぜ?どうして?と思った時に、誰かがそばにいてあげること、
子どもたちが感じた、不思議の瞬間を逃さない事が大切です。
そして、これは私自身の反省でもありますが・・・子どもたちからの質問に、
安易に、適当に答えるのも、あんまりいいことではないですよね。
親自身も子どもと一緒に不思議がることで、子どもたちの科学への扉は、
どんどん開かれていくことでしょう。もしも、子どもの質問に困ったら
、絵本を探してみてください。必ず答えが見つかると思います。
(赤鬼こと山ア祐美子)
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私は、「いちご」が大好きです。果物の中で、何が一番好きかと聞かれたら、
すかさず、「いちご」と答えてしまうでしょう。頑張っていた桜も散って、
あたりの緑がキラキラ輝く今、待ちに待った「いちご」の季節がやってきます。
そして、「いちご」といったら、この絵本!一粒で宇宙にまで旅ができてしまう・・・
そんなエネルギーがいっぱい詰まった世界にいってみましょう。
真っ赤な力強い表紙を開くと、とたんに静かな暗闇のページから始まります。
かすかに甘い香りが流れてくるような気がしてきます。
つややかな葉っぱの中でいのちがやどり、赤いつるがぐんぐんのびて、
大地がはずみ、「いちご」が生まれる準備をしています。勢ぞろいした「いちご」の
子供たちの上に、雪が降り積もり、凍えるような星の夜が来て、風が光を運び、
そして、太陽が金の雨を降らせる。やがて、白い可憐な花が咲き、
みつばちもやってきて、花びらが落ちると、実ができます。緑、白、燃える夕焼けの色・・・
実は「いちご」になりました。
ページをめくるたびに、「いちご」がこちらに向かって迫ってきます。
次から次へ、「いちご」そのもの中から、果てしない世界へと旅が続きます。
新宮さんは、『風の彫刻家』と呼ばれています。現在も、国内のみならず海外でも活躍され、
多くの作品を世に送り出しています。「いちご」は、その新宮さんが、1975年に
初めて手がけた絵本です。その後も、「ことり」「くも」「風の星」他、何冊か絵本が
出版されています。
まず、表紙の赤の色に、誰でもドキッとしてしまうのではないでしょうか・・・
それまでの絵本の世界では、見たことのない色合いです。それだけで、ひきつけられて、
中を見ると、当たり前のようですが、無駄なページなど一枚もなく、どのページも独立した
絵画作品のような印象です。絵本が、子供のものと思い込んでいる人には、一つの衝撃と
いってもいいでしょう。でも、子供たちにも、ちゃんと届きます。一見難しいのでは
ないかと思われがちですが、絵画のような絵も詩のような言葉も子供たちの心には、
響いています。そして、読み終わると、子供も大人も、わくわくして、どんどん力が
湧いてきて、勇気が出てくる、なんでもできそうな気がします。そんな気持ちになれたら、
今度は、絵本を閉じ、目を閉じて、一息します。すると、いつしか甘い香りに包まれます。
これが、新宮さんの絵本マジックです。
こうして、「いちご」は30年間も、いい風を送り続けています。
ほら、たった今も、あなたのほほに風が吹いてきました。
(赤鬼こと山ア祐美子)
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