2025年も終わろうとしています。
願っていた平和がなかなか実現されない、もどかしく苦しい日々が続く現状も、未だにそのままです。思わぬ災害に見舞われた地域もたくさんありました。復興の遅れも、未だに人々の肩にのしかかったままです。また、ここのところ、熊による被害のニュースが後を絶ちません。つい以前までは、減少していく熊の保護活動などをしていた事実もあったはずだと記憶しています。人間の勝手と言えば、そんな気がしてなりません。気候変動による食物連鎖の崩壊、また人間の手による開発など、様々な原因が探られています。地球全体として、国を超えて、種を超えて、共にそれぞれの暮らしを守るにはどうしたらいいのか、来年に向けても、大きな課題として、継続して考え続けていかねばならないと思います。
ヘロデがユダヤの王であったころ、ナザレのまちに、ひとりのおとめがすんでいました。
なまえをマリアといいます。マリアは大工のヨセフのいいなずけです。あるとき、天のつかいガブリエルがつかわされ、マリアにいいました。「おめでとう、マリア。神の子の母になるのです。男の子を生み、その子はイエスとよばれるでしょう」
マリアはいいました。「おことばのとおりになりましょう。」
ひとつのめいれいがくだされました。くにじゅうの人のかずをかぞえるために、それぞれうまれこきょうにかえれというのです。ヨセフとマリアは、ヨセフの生まれたまち、ベツレヘムへむかいました。ベツレヘムのまちはひとがあふれ、やどやはあいたへやがどこにもありません。やどやのしゅじんはヨセフとマリアをうまやにあんないしました。
マリアはうまやで男の子を生み、ぬのでつつむと、かいばおけにねかせました。かたわらにはウシとロバがいました。
のはらにいたひつじかいたちのまえに、天のつかいがあらわれ、こういいました。「おそれることはありません。うれしいしらせをはこんできたのです。きょうベツレヘムでひとりの子どもが生まれました。そのかたこそが、すくい主、キリストです。あなたがたは、かいばおけのなかのおさな子をみるでしょう。それがしるしです。」
天のつかいがおおぜいあらわれ、神をたたえてうたいました。
「天のたかいところでは、神に栄光がありますように。地にはへいわがみち、すべてのにんげんに、しあわせがあたえられますように」
ひつじかいたちはいまやに、いそぎました。かいばおけのなかにおさな子をみつけて、ひざまずき、おさな子をあがめました。天のつかいのとおりだったので、ひつじかいたちは神をほめたたえながら、いえにかえっていきました。ひがしのくにから、三人のはかせもやってきました。あかるい星がかがやくのを見たからです。「王になられるおさな子はどこでしょうか。ひがしのくにで、そのかたの星をみたのです。」
ヘロデはやっかいなことになったとおもいました。じぶんよりもつよい、あたらしい王が生まれたときいたからです。ヘロデは、はかせたちにいいました。「その子をみつけたら、わたしにおしえてください。わたしもおいわいしたいのです。」しかしほんとうは、ヘロデは子どもをころしてしまおうとかんがえていたのです。
星は、はかせたちをベツレヘムのおさな子のいるうまやまでみちびきました。はかせたちは、おうごん、にゅうこう、もつやくのたからものをさしだして、おさな子をあがめました。はかせたちは、ヘロデのところにはもどってはならないと、神につげられたので、べつのみちをとおってかえっていきました。
ヨセフとマリアと、おさな子イエスはナザレにかえり、おさな子はたくましくそだちました。神がいつもイエスをみまもっていたのです。
12月の絵本はやはり、クリスマスにちなんだものを選んでいます。クリスマスの絵本程、たくさんあるものはないといっていいくらい豊かで賑やかな絵本たちです。何冊も何冊も読みながら、今年の一冊を選ぶ時間は、1年で一番楽しい時間かもしれません。今年は、
何といっても、この絵の美しさと力強さにひかれました。訳者は奥泉光さんです。どこかで聞いたようなと、調べてみると、様々な文学賞を受賞されている小説家さんでした。
巻末に奥泉さんの「あとがき」の言葉があります。一部を引用してお伝えします。
「〜イエス・キリストをめぐる物語は福音書とよばれますが、聖書には四つの福音書があります。
それぞれ書いた人の名前をとって、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネとよんでいます。
イエスの誕生のお話はこのうちマタイとルカだけにありますが、ジェーン・レイさんは、二つの福音書を自由にむすびつけて、ひとつのお話を作っています。
マリアへの天使のおつげ、うまやでのイエスの誕生、羊飼いの物語、東の国の三人の博士たち、ひとつひとつがなぞめいた魅力にあふれています。
クリスマスの夜、世界のほんのかたすみで起こったちいさなできごと。
それが人類の運命を変えたとすれば、なんと不思議なことでしょうか。」
聖書を知る人も、そうでない人にも物語として、とてもわかりやすく伝わってきます。
ジェーンさんの描く、ヨセフ、マリアをはじめとして、天使、ひつじかい、博士たち、動物たち、星々も、その美しい色遣いや洗練されたデザインがとても、印象的です。
奥泉さんは、謎めいて・・・と表現されていましたが、まるでイコンのような雰囲気がしてきます。
文章もここではかなり割愛してお伝えしています。
ぜひ、奥泉さんの訳としての豊かな言葉も隅々まで味わっていただけたらと思います。
イエス様の誕生は、私たちの日常の中に確かにあったと、実感できるような確かさを、あなたにも伝えてくれるでしょう。
Peace in the world,
Joy to the world,
Happy Merry Christmas to you ! !
(赤鬼こと山ア祐美子)
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