秋はあったのかしら・・・と思うほどに急に寒さが襲ってきました。
すでに大雪に見舞われた所もあるほどです。
予想では、今冬はドカ雪になるかもと・・・私たちの住むこの地でも、銀世界になるやも知れません。
とはいえ、雪は楽しく美しい場面ばかりではなく、危険も伴うこともありますので、事前の準備も必要です。
世界を見渡せば、全く別の季節が巡っている国々に住む人々もいます。
初めての雪に出会う子どもたちもいます。
雪に見立てた真っ白な綿を飾りにしたツリーなど見たこともないお友だちもいます。
今年はそんな子供たちの言葉に耳を傾けてみましょう。
あるところに、遠い国から来た女の子がいました。
その女の子は知らなかったのです。
クリスマスって、なにかを・・・
クリスマス メリークリスマス
女の子はあちらこちで、このことばを聞きました。
クリスマスカード、クリスマスのローソク、クリスマスプレゼントのこつづみ、
クリスマスの花など、どこもクリスマスでいっぱいです。
いろいろなもみの木がなん百本と売られています。お店のショーウインドーにも
さまざまなものがならんでいます。
「こんなにたくさんのものが どうしているのかしら?」女の子はふしぎに思いました。
女の子の名前は、アッシアといいました。アッシアは、ちぢれたかみの毛で、こげ茶色のはだをしていました。
アッシアは、せんそうがおきている国からのがれてきたのです。その国では、食べものがたりないばかりか、たくさんの人たちが、ひどくいじめられてくるしんでいました。アッシアは、なんみんの子どもなのでした。
12月のさいしょの日。先生の机には、4本のローソクともみの小えだのリースがおかれていました。「わあ、きれいなアドベント・リース!」みんなが、声をあげました。
アドベント アッシアにとっては、はじめて聞くことばでした。
アッシアは、やっとゆう気を出して聞いてみました。「クリスマスって、なんですか?」
みんなは、わらい出しました。クリスマスを知らない人がいるなんて、しんじられなかったからです。みんなが、てんでばらばらに大声で言いました。
「クリスマスには、まどにお星さまをかくんだよ!」「お家をきれいにかざるの!」
「ママが、クッキーをやいてくれるの」「サンタさんに、おねがいリストをかくよ」
「サンタクロースが来るんだ」「海にりょこうに行くの」「新しいじてん車をもらえる」
「おおきなお人形をもらえるの」「おばさんが、金かをプレゼントしてくれるんだ」
「おじいちゃんおばあちゃんが、家に遊びにきてくれるわ」「プレゼントを手作りするのよ」
「パパがクリスマスツリーのかざりつけするんだ」
それでも、アッシアには、クリスマスがなんなのか、まだわかりませんでした。
「わたしにとっては、あなたたちに古いせいしょのお話を聞かせる時が、クリスマスだわ」
先生が言いました。「へいわを、わたしたちにはこんで来てくださるイエスさまが、おうまれになった時のお話。クリスマスのお話よ。それはね・・・」先生はつづけました。
マリアとヨセフのこと、ひつじかいのこと、てんしのこと、東の国から来た3人のはかせたちのこと、イエスさまがおうまれになったベツレヘムにみちびいた、星のこと。
そして、はかせのひとりは、アッシアのような、こげ茶色のはだをしていたこと。
アッシアは、ハッとしました。「っていうことは・・・」
先生が言いました。「クリスマスのげきをする時は、そのはかせの役は、きまったようなものね」となりの男の子が、そっとやさしくアッシアのかみをなでました。
「わかったわ!クリスマスがなにか。クリスマスって、って、みんなにとって、よろこびの時!」
毎年当たり前のようにクリスマスをお祝いしてきた私たちにとって、「クリスマスってなあに?」と思ったことは一度もないのではないかと思います。
でも、世界には生まれてから一度も、クリスマスの言葉さえ触れることもなかったお友だちがいることを、この絵本で、改めて考えました。
この絵本の見開きの冒頭のページには、〜ツリーの下のクリスマスプレゼント〜と題した、一文があります。
様々なプレゼントが飾られているツリーの下・・・
「〜〜〜〜
ゆたかなの? まずしいの?
あったかいの? つめたいの?
もっとほかに、なにかあってもいいんじゃない?
大きくなくて、小さくもなくて、
お店のショウウインドーには、かざってないもの。
そして、だれも買わないもの。
ちょっと聞いてもいいかな?
かみさまからのプレゼントっていうのも、そこにある?」
Peace in the world,
Joy to the world,
Happy Merry Christmas to You !!
「ぞうさん」で知られる詩人、まどみちおさんもクリスチャンでした。敬愛するまどさんの詩を阪田さんなりに考察した作品もあります。
詩人として、クリスチャンとしても、繋がるものや伝えたいことがあったに違いありません。
声に出して歌う事、忘れていませんか?
まずは、記憶のあるわらべうたや童謡、唱歌などから声に出して歌ってみませんか?
(赤鬼こと山ア祐美子)
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