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赤鬼からの手紙(2021年2月号)



『 鬼 学 』

松岡 義和 著

今人舎


   今年もこの季節がやって来ました。去年のこの時期を思い返すと、”コロナウイルス”という言葉を耳にすることが多くなってきたなあ、気をつけなくては・・・と感じるくらいでした。 そんな日々から1年、世界は一変してしまいました。 マスクをつけなければ外出はできません。 手洗いや消毒をかかさず行います。 友達と普通に話したり、飲んだり食べたり、一緒に遊んだり、運動したり、歌うことも、自由にはできなくなってしまいました。 これからいったいどうなってしまうのでしょうか・・・不安は尽きません。

   こんな日々の人間たちを、鬼たちはどんな風に眺めているんでしょうか・・・。

鬼はどこにいるのか?鬼のすみかは?鬼は何を食べているのか?
鬼は恐ろしいものなのか?

昔話に出てくる鬼 「桃太郎」「一寸法師」「酒呑童子」
鬼の出番     「年越しに現れる鬼」「節分」「お盆」
百鬼夜行     「恐ろしい集団」
春をよぶ鬼    「鬼剣舞」「奥三河の花まつり」「弘前の鬼神社」
         「なまはげ」「修生鬼絵」
鬼の服装     「パンツのなぞ」「鬼門」
鬼のすみか    「盗賊の鬼のすみか」「鬼ヶ城」「鬼ノ城」
         「神さまの鬼のすみか」
鬼の食事     「鬼の実図鑑」
鬼の製鉄
鬼の学校     「鬼文字」「鬼ごっこ」「絵描きうた」
絵本のなかの鬼  「鬼の図書室」
天をかける鬼   「鬼子母神」
風神と雷神
鬼の呪宝     「死活棒」「打ち出の小槌」「空を飛ぶ鞭」
         「隠れ蓑に隠れ笠」「川を渡る金の靴」
大津絵の鬼
鬼学ノート    「鬼のつく言葉」「鬼のつく語句」
鬼の祭り
鬼文字の読み方

鬼の後ろには人間がいる。鬼の向こうに歴史が見える。

   2020年「鬼滅の刃」という漫画が空前の大ヒットとなり、アニメが映画となって、興行成績もあのジブリ作品を抜いたという話題が世間を賑わせました。 私自身は、漫画もTVアニメも映画も見ていないのですが、、、にわかに鬼ブーム?!という噂に聞き捨てならない気分になりました。 あれよあれよのままに「鬼学」という題名をつけた絵本に出会いました。

   絵本冒頭にある「鬼学発刊にあたって」との記述にドキリとしました。 なんと、作者の松岡義和さんが、”なんでも学オロジーズシリーズ”を手掛ける今人舎に出版をお願いしたいという手紙を出したと記されていました。 編集者の想いと共に、その手紙文まで添付されていました。 出版界では、なかなか実現されるには珍しいことだったかもしれませんが、この出版社ならではの流れだったのかもしれません。 担当編集の女性は、松岡さんが記した「鬼文字」の解読に興味をそそられたとか・・・作者と編集者の熱意が形になった絵本です。 美術教師も歴任されたという松岡さんの描く鬼たちは、愛嬌のある温かさを感じます。 様々な分野に広げられた鬼の探求も身近なものから芸術の域に達する内容まで豊かに伝わってきます。 もちろん、日本中には私の知る限りでも、もっとたくさんの鬼についての記述はあるでしょうが、鬼を知る入り口として楽しめるものになっています。

   未曽有の危機に見舞われて弱っている人間たちのこの世界に、もしかしたら、鬼たちが手を差し伸べてくれるかもしれません。

(赤鬼こと山ア祐美子)

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