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認定こども園 聖愛幼稚園

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赤鬼からの手紙(2018年12月号)



『イエス』

藤城清治 著

日本基督教団出版局


   1年の締めくくりの季節がやってきました。12月の声を聞くと、なんとなくそわそわしてしまいます。今年中にやっておきたいことや、やっておかなければならないことなどが頭に浮かんできます。でも、こんなときこそ、慌てずにゆっくり1年を思い返すことも大切なことかもしれません。振り返ると今年だけでも様々な災害に遭われた方々が沢山います。その方々が普段の生活を取り戻すにはまだまだ困難なことがあることも忘れてはならないことです。冷え込んだ街中は、もうすっかりクリスマスを迎える装いになっています。キラキラしたイルミネーションばかりが目に飛び込んできますが、そんな中でもじっと一つの灯りを見つめ、その影を芸術に高めた作品をご紹介します。

天使のお告げ ルカ1:24〜38 マタイ1:18〜25
イエスの誕生 マタイ2:1〜12 ルカ2:1〜20
少年イエス  ルカ2:41〜50
イエスの受洗 マタイ3:13〜17 マルコ1:9〜11 ルカ3:21〜22 ヨハネ1:29〜34
荒野の試み  マタイ4:1〜11 マルコ1:12〜13 ルカ4:1〜13
弟子を招くイエス マタイ4:18〜22 マルコ1:16〜20 ルカ5:1〜11(ヨハネ21:1〜11)
カナの結婚式 ヨハネ2:1〜11
山上の説教 マタイ5:1〜7:28(ルカ6:17〜49)
ガリラヤ湖の嵐 マタイ8:23〜27 マルコ4:35〜41 ルカ8:22〜25
旅人を助けるサマリア人 ルカ10:25〜37(マタイ22:34〜40 マルコ12:28〜31)
迷子の羊 マタイ18:12〜13 ルカ15:3〜7
イエスと子供たち マタイ19:13〜15 マルコ10:13〜16 ルカ18:15〜17
イエスとザアカイ ルカ19:1〜10
病人のいやし ルカ5:17〜26 マルコ2:1〜12(マタイ9:1〜8)
山上の変容 マタイ17:1〜8 マルコ9:2〜8 ルカ9:28〜36
エルサレム入城 マタイ21:1〜11 マルコ11:1〜10 ルカ19:29〜40 ヨハネ12:12〜19
宮きよめ マタイ21:12〜17 マルコ11:15〜17 ルカ19:45〜46 ヨハネ2:13〜17
ナルドの香油を注ぐ女 マタイ26:6〜13 マルコ14:3〜9 ルカ7:36〜50 ヨハネ12:1〜8
最後の晩餐 マタイ26:17〜35 マルコ14:12〜31 ルカ22:7〜38(ヨハネ13:1〜30)
ゲッセマネの祈り マタイ26:36〜46 マルコ14:32〜42 ルカ22:40〜46(ヨハネ18:1)
十字架 マタイ27:32〜44 マルコ15:21〜32 ルカ23:26〜43 ヨハネ19:16〜37
復活 マタイ28:1〜10 マルコ16:1〜8 ルカ24:1〜12 ヨハネ20:1〜18


   94歳の現役影絵作家、藤城清治さんの「イエス」。 この絵本をどこかで見かけた方もたくさんおられるかもしれませんね。昇仙峡には藤城清治美術館もありますから、行かれた方もいるでしょう。 この絵本にはお話はありません。巻末に、影絵の画題と、それにちなんだ聖句の個所が丁寧に掲載されています。お馴染みの聖書のお話ばかりですが、作品としてこの影絵にたどり着くまで大変なご苦労があったと藤城さんは語られています。

   「ぼくは、はじめこの本にとりかかったとき、半年くらいでできるだろうと思っていた…あらためて聖書に関しての資料をいろいろ読んだりみたりしていくうちに、聖書の持つ壮大さ、崇高さというものは、1週間で1枚つくりあげてゆくようなことでは、到底できないことだと分かった。…とうとう足掛け3年たってしまった。」
そして、聖書画の世界と影絵の世界は、共通しているものがあると・・・それは”光”というものである・・・光に照らし出された影絵の世界には、何か清らかな透明感や神秘性があって、それはまた、キリストの世界にも通じていくような気がする・・・とも語っています。 この絵本の1枚1枚を見つめていくと、紙面ではありますが光の温かさが伝わってくるような気がします。 ご本人が言うように、聖書物語の表現は影絵がぴったりなように思えてきます。

   藤城さんは、常に新しい挑戦をなさっています。 ずっと描いてきたメルヘンの世界から、今伝えなければならないと、ヒロシマの原爆ドームや東日本大震災の悲しさ、辛さ、乗り越えようとする人々の力なども描き続けています。 藤城さんのアトリエには、いろんな生き物たちが同居しているTV画面を見たことがあります。 制作中の影絵の上を猫が歩き回っても、追い払うことなどまったくありません。 藤城さんは平気な顔で作業を続けています。 それは、藤城さんのテーマの一つには、「生命の大切さ」があるからだと思います。 たとえ、どんなに哀しく辛い画面にも、あの大きな目をした、とんがり帽子の小人がいるのは、命の輝きの象徴なのだと・・・。

   今年のクリスマスを思うとき、この絵本のページを開いて"光"を感じていただけたらと思います。
  〜地には平和、人には喜びを〜
”Joy to the World! Happy Merry Christmas to You! ”


(赤鬼こと山ア祐美子)


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