学校法人
認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載208
主の祈り
マタイ福音書6章8〜13節

細井保路

   あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。だから、こう祈りなさい。 「天におられるわたしたちの父よ、御名が崇められますように。御国が来ますように。御心が行われますように。天におけるように地の上にも。わたしたちに必要な糧を今日与えてください。わたしたちの負い目を赦してください。わたしたちも自分に負い目のある人を赦しましたように。わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から数ってください。」

   「御国が来ますように」という祈りは、神さまが治めてくださる世界が実現しますようにと願っているのです。最終的に訪れるであろう神さまが治める世界は、この地上ではなかなか実現しません。なぜならば、神さまは、身を低くして、すべての存在を支え、引き上げ、その価値を高めるような仕方で世界を治めようとなさるからです。それに反して、この世の支配者は、権力を握ると自分の都合のいいようにすべてを支配しようとします。そして抑圧されたり切り捨てられたりする人の苦しみが生まれてしまうのです。

   「御心がおこなわれますように」という祈りは、神さまが望んでおられる世界が、この地上でも実現しますようにという祈りです。つまり、「御国が来ますように」という祈りと同じことを言っているのです。すべてのものが神さまのところまで引き上げられるようにというのが神さまのお望みです。つまり、「すべてのものの救い」です。さらに平易な言葉に言い換えれば、「みんなが幸せになること」です。神さまが望んでおられるのは、ただ一つ、みんなが幸せになることなのです。とりあえず自分の好きな仲間だけ幸せならいいというような私たちの狭い心ではいけないのです。お互いの幸せを願い、お互いの存在を高め合うことができますように。


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