祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。
偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。
はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。
だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。
そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。
神さまは、「隠れたところにおられる」とイエスさまはおっしゃいました。詩人金子みすゞ(1903〜1930)の「はちと神さま」という詩は、そのことをやさしい言葉で描いています。
お花はお庭のなかに、
はちはお花のなかに、
お庭は土べいのなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに、
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃなはちのなかに。
すべての存在を包み込んでいる神さまは、同時にどこまでも密やかな存在なのです。
壮大な自然や宇宙を、私たちは外側から見て驚きたいのです。
豪華絢爛な建造物の全容を外側から見て感動したいのです。
でも実は、私たちの心の中にも、その荘厳さに圧倒されるような神さまがいてくださるのです。
目立たないところにこそ、大切なものが潜んでいるのです。
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