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書き下ろし連載205
みんなに陽が昇る
マタイ福音書5章43〜45節

細井保路

   あなたがたも聞いているとおり、「隣人を愛し、敵を憎め」と命じられている。 しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。 あなたがたの天の父の子となるためである。 父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。

   「天の父、つまり神さまは、善人にも悪人にも等しく太陽を昇らせ、雨を降らせる」とイエスさま言われます。 そして、その神さまからいのちをいただいている私たちは、いわば神のさまの子どもなのだから、同じように等しく人を大切にしなければいけないのではないか、と問いかけているのです。

   自分に利害関係がある人だけを大切にするとか、気の合う人だけと付き合うというようなことは、それ自体が悪いことではないわけですが、その狭い仲間意識は、確実に誰かを傷つけ、自分自身の人間としての豊かさを損ねることになります。 「等しく雨を降らせてくださる」という言葉の意味は、「神さまがすべての人の幸せを望んでおられる」ということであり、私たちが、「すべての人の幸せを願う」気持ちを忘れずにいることこそが、人として大切なことなのです。

   「すべての人」というのは、具体性がなく、口先だけになってしまいがちですし、自分にとって大切な人の幸せを真っ先に願うのが当たり前です。 しかしイエスさまは、自分にとって遠い存在も、敵とさえ思える存在も、大切な人として包み込む想像力を持ちなさいというのです。 どんな人にも、必ずその人の幸せを願っている誰かがいるということに思い至る想像力が必要なのです。

   みんなに等しく雨が降る。みんなに等しく陽が昇る。 その権利を奪ったり、独り占めしたりすることだけはやめなくてはいけません。


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