学校法人
認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載174
大きな愛のまなざし
ルカ福音書15章4〜7

細井保路

   あなたがたの中に、100匹の羊を持っている人がいて、その1匹を見失ったとすれば、99匹を野原に残して、見失った1匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、「見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください」と言うであろう。言っておくが、このように、悔い改める1人の罪びとについては、悔い改める必要のない99人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。

   イエスさまが罪びとたちと付き合っている、という批判に対してイエスさまはこのたとえ話をなさいました。「罪びと」とは、犯罪者のことではなく、貧しさやさまざまな理由で社会的義務を果たせなかったり、当時の宗教儀礼を守れなかったりする人のことです。社会人としてまっとうに生きていると自負する人たちは、えてしてそういう弱い立場の人を軽蔑したり排斥したりするのです。

   わたしたちが軽視しがちな人たちも、神さまにとってはかけがえのない大切な人なのだとイエスさまはおっしゃるのです。しかも、羊飼いが一方的に迷子の羊を探しだしてあげたことを、「悔い改める」という言葉で表現します。「悔い改める」ことの真意は、自らが反省して詫びることである以前に、神さまの愛に出会うことなのだとおっしゃりたいからです。

   わが子のことならば、私たちもこの羊飼いのようにふるまうでしょう。でもよそのお子さんについてはどうでしょうか。「あんな子がいるから困る」などと、簡単に決めつけたりしていないでしょうか。

   保育者は、まさにこのたとえ話の羊飼いのような姿勢で、どの子も大切に受けとめています。保護者の皆さんも、まずわが子のことを最優先に考えるとともに、大きな愛のまなざしで、園に集まって来る一人ひとりの子どもをかけがえのない存在として受けとめてほしいと願っています。


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