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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載170
クリスマス
ルカ福音書2章10―11

細井保路

   天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」

   サンタさん、ケーキ、プレゼント、家族の団欒、そのほかにもたくさんの楽しいイベントを思い出させてくれるクリスマスは、イエスさまのお誕生を祝うことから始まっています。2000年前に登場した人物を、キリスト教は「神の御子」「救い主」と呼ぶのです。目に見えない神さまが、イエスさまを通して、ご自分の思いを伝えてくださったと考えるからです。

   そのメッセージとは、「神さまは、すべての人を、すべてのいのちを、神さまの大きないのちの中に受け入れてくださっている」というものです。「神さま」という言葉を使わないで表現すれば、「すべてのものは尊い」ということです。本当にそうなら、「居場所がない」、「生きるのが辛い」、「不安でたまらない」と感じたりする必要はないはずなのですが、実際には様々な悩みや苦しみを背負ってしまう人がいるのです。それは私たちが、「すべてのものは尊い」と心の底から思っていないからです。嫌いなものや、都合の悪いことや、損することからは簡単に目を背けてしまうからです。だから、「誰もが愛されている」と感じる理想になかなか届かないのです。

   神さまは、私たちにいのちを与え、最終的にその神さまのいのちに迎え入れてくださる、と信じるのがキリスト教です。それを身をもって示してくださったのがイエスさまです。そのイエスさまの誕生を祝うのがクリスマスです。誰もが新しい命の誕生を喜び、感動した経験があります。だからクリスマスは、私たちが経験したことの意味をもっと深めるチャンスです。

   素朴にイエスさまの誕生を祝った羊飼いたちと一緒に、わが子はもとより、私たちがであうたくさんの人たちを「尊いいのち」として迎え入れる心を育てましょう。


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