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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載169
種のたとえ
ルカ福音書13章18―21

細井保路

   神の国は何に似ているか。何にたとえようか。それは、からし種に似ている。人がこれを取って庭に蒔くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。神の国を何にたとえようか。パン種に似ている。女がこれを取って3サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。

   ささやかなもの、わずかだと思っていたものが、やがて大きく成長するというイメージを、イエスさまは、「神の国」のたとえとして使われました。

   聖書で神の国と言っているのは、神さまの望んでおられることが現実になる世界のことです。そして、イエスさまは、誰もが幸せになることこそが、神さまのお望みだと言われました。わたしたちも、誰もが幸せになることを望んでいます。つまり、私たちの心には、ちゃんと神さまのお望みが宿っているのだと思います。小さな小さな植物の種や、酵母菌のように、ささやかなものかもしれないけれど、神さまは、ちゃんと私たちの心に「みんなが幸せになるように」という願いを植えつけてくださっているのです。あとは、それがうまく育つのを待つだけでいいのです。特別な技術や努力が必要なのではなくて、そのよい望みを素直に受け止めるだけで、見事に成長するのだとおっしゃっているのです。

   わざわざ小さな種にたとえなくても、私たちのすぐ近くに、もっといい例があります。子どもたちです。春に集まってきた子どもたちは、秋には驚くほど成長しています。いったいいつの間に子どもたちはこんなにたくさんのことを身に着け、こんなに魅力的な力を手に入れたのだろうと思ってしまいます。確かなことは、子どもの成長を素直に願っている人が必ずいるということです。

   幸せな人生や、幸せな社会は、素直に人の幸せを願う人がいることで育っていくのだと思います。


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