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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載165
今が大事
ルカ福音書12章35−37節

細井保路

   腰に帯を締め、ともし火をともしていなさい。主人が婚宴から帰って来て戸を叩くとき、すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られるしもべたちは幸いだ。はっきり言っておくが、主人は帯を締めて、このしもべたちを食事の席に着かせ、そばに来て給仕してくれる。

   イエスさまは、「目覚めていなさい」と繰り返しおっしゃいます。それは、どの瞬間も神さまと出会うチャンスであるという意味です。簡単に言えば、いつでも「今」を大事にしましょうということです。過去にこだわりつづけるより、今を精一杯生きるほうがいいにきまっています。先の不安で心が押しつぶされそうになっているなら、深呼吸をして心を落ち着け、今やるべきことに取り組むほうがいいのです。そして、イエスさまは、「今が大事」ということを、この時を与えてくださった神さまとの関係でとらえ直してごらんとおっしゃっているのです。

   今の時、今私が置かれている場所、それは自分が望んでいたのとは違うものであるかもしれません。でも、それを神さまが与えてくださった大切なときであると考えてみましょう。

   何か目標を持って行動しているときには、「今」は通過点にしか思えません。でも本当はとてもかけがえのない時間なのです。一つのことが終わって放心状態のときには、「今」はあまり価値のない時間にしか思えないかもしれません。本当はやはりかけがえのない時間なのです。そのことに気がつくと、人生のどの瞬間も光り輝いてきます。特に「今」という時をいとおしく感じることができます。

   イエスさまは、「どの瞬間をも大事に過ごしていれば、帰って来た主人が給仕してくれる」とおっしゃるのです。現実にそんなことが起こることはあり得ません。でも、今この時が与えられているのは、あり得ないほどありがたいことなのだと気づきましょう。


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