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書き下ろし連載156
子を思う親の心
ルカ福音書10章25−28節

細井保路

   ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」

   「神を愛し、隣人を愛せよ」という掟は、イスラエルの人々が最も大切な掟として代々語り伝えてきたものです。大切だと言われるからしっかりと覚えてはいるけれど、では実際にどう生きることかと問われると、神さまは目にみえないし、隣人とはどこまでの人を指すのかよくわからないのです。だからイエスさまはあえて、「あなたはそれをどう読んでいるか」と問われたのです。

   「隣人」とは誰を指すのかと議論する前に、「自分のように愛する」ということに焦点を当ててみるならば、この掟のすばらしさがわかります。わたしたちが「自分のように」愛することの出来る相手はいるだろうかと考えてみればよいのです。答えは明白です。それは自分の子どもです。親はわが子のことは、自分のことのように大切に思います。自分と同じように愛することができるのです。

   「隣人を自分のように愛しなさい」という掟は、「人をわが子のように思いなさい」という意味です。つまり、「人に対して、母親のようでありなさい」と言っていることになります。

   誰に対しても、わが子に接するような気持ちで接することができたならば、確かに私たちは、もっとお互いのことを思い、優しくなることができるに違いありません。理想に過ぎないと諦めてしまう前に、子を思う親の心を持って人に関わるように心掛けてみましょう。


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