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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載155
感謝の心
ルカ福音書10章1ー2節

細井保路

   (イエスは)72人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に2人ずつ先に遣わされた。そして彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」

   一般にはこの箇所は、「イエスさまの教えを広める人がもっと増えるように願いなさい」という意味に受け取られています。もちろん、そう読んでも間違いではないのかもしれません。しかし、もしそうなら、イエスさまは、何故、「あなたたちが率先して働き手になりなさい」とは言わずに、「働き手を送ってくださるように願いなさい」と言ったのでしょうか。

   「収穫」という単語をどういう意味に取るかによって読み方は変わってくるのです。

   「こんなに豊かに刈り入れる穀物が溢れているのに、なんでみんなそれを刈り取ろうとしないのか」と問われているとしたらどうでしょうか。つまり、「収穫」とは、私たちに溢れるほどに与えられている神からの恵みをさしているのです。そして、私たちはそれに気づきもせず、感謝もせずに過ごしているのです。もっと多くの人が、与えられた「収穫物」を「刈り入れる」人になるように、与えられた恵みを感謝して受け取れる人になるように、というイエスさまの願いが込められているのです。

   イエスさまは、麦畑を眺めながら語られたのでしょうが、私たちはまさにこれから収穫を迎える稲田を眺めながらこの言葉を味わいたいと思います。風にゆれる稲穂をはじめ、様々な野菜や果物を、誰もが直接に刈り入れるわけではありません。しかし、その実りを味わうことは誰もができることです。私たちは秋の実りを感謝して味わうように、与えられた人生を、今日一日を、感謝して味わうことが大切です。困難を感じるときこそ、感謝の心の大切さを忘れないようにしましょう。


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