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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載147
ささやかな願いは奇跡の始まり
ルカ福音書8章40ー42節

細井保路

   イエスが帰って来られると、群衆は喜んで迎えた。 イエスを待っていたからである。 そこへ、ヤイロという人が来た。 この人は会堂長であった。 彼はイエスの足もとにひれ伏して、自分の家に来てくださるようにと願った。 12歳ぐらいの一人娘がいたが、死にかけていたのである。

   このあと、イエスさまはヤイロの家に向かう途中で出会った長患いの女性を癒やし、さらに女の子も元気になります。 奇跡の話は信じがたい話でもありますが、大切なことは、誰かの切なる願いからスタートしているということです。 女の子の回復は、父親の切なる願いが実った出来事です。 途中で出会った女性も救いを求めていました。 願いが唐突に叶うから「奇跡」と呼ぶのです。 私たちの心の中にもたくさんの願いや祈りがあります。 でもなかなか叶えられません。 祈り続けて何かが実っても、長い時間を要したことなので奇跡とは言いません。

   奇跡は時間が圧縮された出来事なのだと考えてみれば、誰かの幸せを願う祈りや、よいことの実現に向けての一歩は、奇跡の始まりだと言うことができます。 その実現を自分で確認出来れば嬉しいことですが、もしかしたら、それは何世代も後に実現するのかもしれません。 そのことに気がつくと、もう一つの大切なことに思い当たります。

   今の私たちの幸せは、何世代も前の、あるいは何世紀も前の誰かのささやかな祈りが実ったものであるかも知れないのです。 少なくとも確かなことは、私たちの親がわが子の幸せを願ったその思いのおかげで今があるのです。 スローモーションのようにではあるけれど、この世界は「奇跡」に満ちているのです。

   私たちの今日の祈り、ささやかな願いが、いつか実る奇跡の第一歩であることを忘れずに、この一年を過ごしましょう。


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