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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載141
安心感
ルカ福音書7章41−47節

細井保路

イエスはお話しになった。 「ある金貸しから、二人の人が金を借りていた。一人は五百デナリオン、もう一人は五十デナリオンである。二人には返す金がなかったので、金貸しは両方の借金を帳消しにしてやった。二人のうち、どちらが多くその金貸しを愛するだろうか。」シモンは「帳消しにしてもらった額の多い方だと思います」と答えた。イエスは、「そのとおりだ。・・・赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」

   評判の悪い女性が、食事の席に入ってきて、愛情を込めてイエスさまの足に香油を塗ります。同席している人たちは、そのあからさまな行為を不快に思うのですが、その時イエスさまは、このたとえを話されました。

   彼女の多少品のない愛情表現は、イエスさまと出会い、自分がゆるされ、受け入れられていると感じて、そのうれしさからとった行動だったのです。人が愛情豊かに生きるためには、まず、愛され、ゆるされているという実感が必要なのです。しかし、実際には、人の悪意や、心ない言葉にさらされることもあります。だからこそ、家族の愛情が大切なのです。

   イエスさまは、「ゆるされる」という表現を使いますが、これは、「受け入れられている」という意味です。私たちには、この「受け入れられている」という安心感に満ちた体験が、どうしても必要なのです。幼児期にたっぷりと安心感を得られなかったために、その後の人生で、不安感や不信感を抱えながら苦しむ人もいます。しかし、人生に手遅れということはありません。過去にその実感が不足していると思うなら、いつからでも、受け入れられいるという実感を積み重ねていけばいいのです。でも、そのためには、その人を受け入れる誰かが必要です。イエスさまは、その「誰か」であろうとなさったのです。そして、私たちにも、人を愛し受け入れる人になることを望まれたのです。


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