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書き下ろし連載137
温かい言葉を
ルカ福音書6章43−45節

細井保路

   悪い実を結ぶ良い木はなく、また、良い実を結ぶ悪い木はない。木は、それぞれ、その結ぶ実によって分かる。茨からいちじくは採れないし、野ばらからぶどうは集められない。善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は心からあふれ出ることを語るのである。

   うっかり人を傷つけるような言葉を発してしまうことは誰にもあります。わたしたちは、「そんなつもりではなかった」と言い訳をしますが、本当に相手のことを大切に思っていたなら、うっかり暴言を吐くというようなことは起こらないでしょう。まさに、「人の口は心からあふれ出ることを語る」のです。日本語にも、「言霊」という美しい単語があります。

   勘違いや、言い間違いはよくあることですから、自分の言葉にすべて責任を持てというのは厳しすぎると思いますが、いつも心を込めて語るという習慣を持つことができたならば素晴らしいことです。重要な仕事の場面とか、大切な人に話さなければならない時などには、緊張して注意深く話しますが、反面、わが子に声をかける時などはどうしてもいい加減になってしまいます。それは当たり前だと思ってしまいがちですが、相手によって重さが変わってしまうような言葉は、そもそも、心の深いところから出て来る言葉ではないのです。言葉を大切にするということは、つまり、相手によって言葉を使い分けるということをやめてみることです。

   もちろん、子どもにも難しい言葉で対応してよいという意味ではありません。むしろ、子どもを尊重するならば、子どもの理解力に合わせて、心を込めて語りかけるべきです。「表現」を変えないのではなくて、「心のこもった姿勢」を変えないことが大切です。

   上品でもトゲのある言葉というのがあります。ぶっきらぼうでも温かい言葉もあります。わが子に語りかける自分の言葉を少し意識してみましょう。


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