学校法人
認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載135
はかり
ルカ福音書6章37−38節

細井保路

人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。 人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。 赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。 与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。 押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。 あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである。

   「裁く」という言葉は、なんだか偉そうな言葉で、私たちと直接関係ないように思うのですが、人に腹を立てたり、「許せない」と思ったりすることは、やはりあるものです。 そして気がつくと私たちは、不愉快な思いや、自分の失敗さえ、誰かのせいにしてしまうことがあります。 人のせいにすることをやめてみるだけで、私たちの気持ちは大きく変わるはずです。

   確かに、物事が予定通りにいかなかったり、楽しいはずの時間が台無しになったりするのは、たいてい誰かのせいです。 そして、当たり前のことですが、誰かのせいにしている私は、決して今の状況に満足できていないのです。 満足できていないから、その原因となる犯人を捜して、誰かのせいにしているのです。 問題は、今満たされていない私の心にあるのです。 「自分の量る秤で量り返される」という言葉の意味は、あなたが今の状況を過小評価するなら、それはちっぽけなままだということです。 反対に、あなたが今の状況の中に豊かさを見出すことができれば、それは本当に豊かになるとうことでもあるのです。

   よく、子育てを失敗したと感じているお母さんから、「私の育て方がまちがっていました」という言葉を聞きます。一見自分を責めているように聞こえますが、実は、「今の我が子の状況が満足できない」と不満を言っているにすぎません。不満を何かのせいにする前に、今の状況の中で味わえる喜びや幸せをみつけることに力を注ぐべきです。


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