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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載134
クリスマスを迎える心
ルカ福音書6章35−36節

細井保路

   あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。

   キリスト教では、12月25日にイエスさまの誕生を祝います。実際にいつお生まれになったかは不明ですが、やっと日が長くなり始めるこの時期には古来、太陽を待ちわびる様々なお祭りがあり、それに合わせて「救い主」の誕生を祝うようになったのです。イエスさまの誕生は、最初に貧しい羊飼いたちに知らされました。そのとき、天使たちが、「いと高き天には、神に栄光、地には、御心にかなう人々に平和」と歌ったと聖書には書かれています。どこまでも憐れみ深い神の想いをこの世界に浸透させることこそが、イエスさまに託された使命だということを暗示しているかのようです。

   そして、イエスさまはまさに、「神があわれみ深いように、あなたがたもあわれみ深くなりなさい」と教えられたのです。

   わたしたちは、誰が偉いか、どちらが得か、というような価値観に振り回されがちで、いつも誰かを蹴落としたり、軽蔑したり、断罪したりして自分の立場を守ろうとするのです。しかし、本当の幸せを手にいれようと思うなら、自分がなんとか上に這い上がるのではなく、相手の尊厳をみとめ、高めるというとてつもない寛大さこそが必要なのです。それをイエスさまは、「敵をも愛せよ」という言葉に込められました。

   あきれるほどのおおらかさが要求されています。そしてそんな大きな人間はなかなかいません。なかなか実践できないとわかっていても、いつも相手の価値を高め、ゆるし、寛大に見守ることをわたしたちの究極の目標にしておきたいものです。


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