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認定こども園 聖愛幼稚園

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赤鬼からの手紙(2016年3月号)



『 ひなまつりルンルンおんなのこの日 』

ますだゆうこ  作
たちもとみちこ 絵
文溪堂 1,512円(税込)

   今年の気候はとても不順です。もう初夏のような陽気になったと思ったら、急に雪が降ってきたりして、インフルエンザの猛威もなかなか収まってくれません。三寒四温があってこそ、春の到来が待ち遠しいはずですが、なんだか不安になってしまいます。家の中ばかりに縮こまっていないで、早く外の様子を見にいきたいですね。お日様はキラキラしているかしら、風は柔らかくなったかしら、草木の芽は芽吹いているかしら、花のつぼみは膨らんだかしら・・・あら、あら、外へ飛び出してしまったのは、だあれ?

ゆずちゃんのかわいいひなにんぎょうがかざられています。ゆずちゃんは「みんな、いいこで おるすばんしててね!」とこえをかけて、かぞくででかけていきました。
し〜んとした へやのなか。あれあれ?おひなさまが うごきだしました。
「あ〜 まいにち ほんとうに たいくつ。わたしだって おでかけしたいわ」
おひなさまは ネコのせなかにのって、とびだしていってしまいました。
「あれ?おひなさま どこへいくのです?」おだいりさまは びっくり。右大臣、左大臣はオロオロ。五人囃子はあわてて楽器を落としてしまいました。「みんな はやく おひなさまを おいかけねば!」とおだいりさまは三人官女が用意したかごにとびのり、エッサ ホイサッ、おひなさまを おいかけます。さてさて、おひなさまは どこへ?
おひなさまがチョウチョにキラキラしたおうぎを見せていたら、とつぜんカラスにおうぎをとられてしまいました。木に登れないおひなさまは、リスにおうぎをとり返してもらいました。ところがおうぎをカラスがまたねらってもどってきました。「あ〜れ〜っ!?だれか」たすけて〜っ!!「こらっ!おひなさまに なにをする〜!」おだいりさまは カラスにとっしんしてカラスをおいはらいました。
「かってに うちをとびだしたりして だめじゃないですか」「ごめんなさい。たまには、ぼうけんをしてみたかったのです。」ふたりはそろって うちにかえりました。
「ただいま〜!」ゆずちゃんがかえってきました。
さてさて、ひなにんぎょうたちは・・・?


   ひな人形の段飾りを飾っていたのはいつまでだったでしょうか?いつからか、お内裏様とお雛様だけになってしまったような気がします。今頃箱の中で窮屈な思いをしているのかもしれませんね。長女が幼稚園の頃、園児みんなが段飾りのひな人形になって皆さんに披露したことがありました。長女はお雛様に指名されて、恥ずかしそうに一番上の段にじっとしていたことを思いだします。衣装は手作りで、その作業もいろいろ工夫しながら親子ともども楽しい行事でした。

   ひな祭りの絵本もたくさんありますが、こんな楽しいものは初めてです。元気な女の子が胸を張って読みたくなるような絵本です。人形には命が宿るといわれますが、私たちが知らない間に人形たちがいろんな冒険をしているのかもしれません。どこか違っていたらきっとそうです。おもちゃのチャチャチャで歌われたり、すずの兵隊や最近ではトイストーリーというのも人形に命が宿るお話しです。ひな祭りはもともと娘の無病息災を祈り、人形がかわりになってくれるという習わしに由来があります。人形には人の思いを託すところがあるのかもしれません。

   この絵本では、ひな祭りの由来、豆知識、各地のひな祭りの紹介、工作やひな祭りのおすすめ料理まで載っています。ページをめくるたびに、どれか一つでも作ってみたいなあとワクワクした気持ちになってきました。年に一度の今年だけのひな祭りを皆さんで一緒に楽しんでください。

(赤鬼こと山ア祐美子)


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