何をするにもいい季節になりました。山々も美しく彩られ、外に出るとちょっと肌寒いけれど気持ちいがいいです。散歩しながら、いろいろ空想するのも楽しいです。山の向こうにはどんな街があって、どんな人たちがどんな暮らしをしているんだろう、海を越えた外国の人たちは、今何を考えているんだろう。今私が歩いているこの道を、大昔の人が歩いたかもしれないな、隣の家の犬はなぜあんなに吠えるんだろう、何か言いたいことがあるのかなあ・・・違う町の人や、外国の人、大昔の人にも出会ってみたい、犬の気持ちも知りたい・・・こんなことを全部形にしてくれるのが”おしばい”です。そんな”おしばい”の秘密をそっと、教えましょう。
おしばいにいこう
アンやみんなといっしょにおしばいにいったんだ。ものすごくドキドキしたよ!
人が動物になったり、人形なのにほんものの人間みたいに見えたり、しんじられる?
どんなことでも、おしばいはできちゃうんだ!
おしばいがおわって
ステージのうらには、役者さんよりたくさんのひとがいたよ。ライトの係りの人、セットと小道具の係りの人、おしばいのかんとくさん、音楽をえんそうするひともいたんだ。
いろんな顔をしてみよう
おしばいでクマになっていたケンという役者さんが、おしばいでいちばん大切な事は、どんなことでも、そのふりをすることなんだって、教えてくれたよ。いろんな顔をしてみるのって、おもしろそうだよ!
からだであらわしてみよう
「からだは、いろんなかたちになれるだろう。動物や人形、つくえ、木、花、なんにでもなれちゃうんだよ。」ケンさんはたのしそうにいったよ。
役者のケンさんがおしばいの秘密をたくさん教えてくれました。あとはこんな風に続きます。
いろんな音と声、いろんな人といろんな役、びっくりがつまった大きなカバン、おけしょうしてみよう、むかしむかし・・・、大道具をくふうしてつくろう、影絵のおしばい、人形、もっとむずかしいもの、サーカスごっこをしてみよう、いろんなおしばい
図書館で見つけた絵本です。読んでいるうちに何だかとても楽しくなって、是非皆さんに紹介したいと思いました。訳者の鴻上尚史さんは、演出家、作家でもあります。現在は
若手の俳優さんの演技指導や、演出方面でも若手の育成を熱心になさっておられます。
また、お笑いの世界でも力を発揮し、TV、ラジオ等にも出演される多彩な方です。
その鴻上さんの訳は、様々な手法で子供たちに分かりやすく”おしばい”の本質を伝えています。
大人の私が読んでいても、ワクワクしながら思わず体が動いてしまいました。
学校でも、幼稚園でも学芸会をはじめ、様々な発表の場があります。いつもの生活とは違った形で自分を表現します。歌や演奏、運動やダンスや踊り、そんなすべてが詰まっているのが"おしばい"かもしれません。教会や教会幼稚園では、ページェントとしてイエス様の誕生劇をすることもありますね。
どんな衣装にしよう、舞台には何が必要だろう、音楽もいるよね・・・考えている間が楽しいのも”おしばい”の秘密の一つです。
訳者のあとがきに、―大人のかたへ―
「子どもたちと一緒に、『キャラクターの心の旅』を経験して下さい。
まず大人が、おしばいの楽しさを発見できることを祈っています。」と、ありました。
さあ、秋の良き日に”おしばい”にいきませんか!
(赤鬼こと山ア祐美子)
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