今年も、この季節がめぐってきました。春からの出来事を思い返しながら、冬を迎える準備をします。この一年はどんな事があったでしょうか、一番楽しかった事は、何かしら?一番嬉しかった事は?悲しかった事や怖かった事を思い出してしまうこともあるでしょう。自分ひとりだけでなく、お友達や家族の人たちとも語りあえると、もっとたくさんの事に気づくかもしれません。そんな語らいの中で、忘れてはならないのはこうしていられることへの感謝です。締めくくりのこのよき日に、『ありがとう』の言葉を思い切って、お互いに口に出してみませんか?きっと、体中が温かくなることでしょう。
べとれへむへ べとれへむへ
よぜふと まりあは
あるいていく あるいていく ルカ伝2の4〜5
べとれへむ ちいさい まち
でも もうすぐ きりすとさまが
そこで おうまれになる マタイ伝2の6
とまる ところがない どこにも
とめてくれない だれも
かなしい よぜふ かなしい まりあ ルカ伝2の7
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みんなが かえると うまごやの なかは
しずかな やさしい しあわせな
おいのりの こころで いっぱい
くりすますの よるが ふけていく ふけていく ルカ伝2の19
絵本が一番売れる季節がクリスマスです。
そして、季節絵本の中でも一番作品が多いのも、このクリスマスの時期でしょう。
子供たちにとっては、指折り数えて待つ良き日でもあります。
クリスマス絵本にはサンタさんの楽しいお話も沢山ありますが、今回は作者の佐久間神父様の言葉に耳を傾けたくなりました。
今も世界中で読み継がれている絵本です。
以前にも「さいしょのくりすます」という絵本をご紹介しましたが、この絵本では、聖句をひも解きながら、聖書のお話を分かりやすく伝えて下さいます。
リズミカルな言葉の中に生き生きとした確かな情景が伝わって、目の前で起きているかのように感じます。
佐久間さんは、最初のクリスマスであるイエス様の誕生を「それは、静かで、目立たず、土の臭いがしていました」と表現しています。
現在の私たちにとっても、遠くはるかなものでなく、身近に感ずることができるのは、佐久間さんのそういう視点によるものかもしれません。
そして、かすや昌宏さんの絵が、誕生劇に温かさと崇高さを増してくれます。
ページの1枚1枚が独立した絵画のごとく、額に納めて常に眺めていたいような気持になります。
赤子のイエスさまを見守るマリア、ヨセフ、動物たち、その一人ひとりのぬくもりがシーンごとにあふれます。
星たちは白く神々しく輝き、現れた光は、大きく穏やかにすべてを照らしています。
クリスマスキャロルが聴こえてきそうです。
さあ、絵本を手に取りながら、ゆっくりと、声に出して、みんなでお祝いいたしましょう。
「Joyfull、Joyfull! Merry Christmas!!」
(赤鬼こと山ア祐美子)
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