学校法人 聖愛幼稚園
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赤鬼からの手紙(2012年8月号)



『ぐりとぐらのかいすいよく』

かがわりえこ と やまわきゆりこ

福音館書店 / 出版

840円(税込)

   いよいよ夏本番!今年は、海、山、湖、高原・・・どこに行こうかって考えるだけでも楽しくなる季節です。夏にしかできない事、といったら、やっぱり海ですね!去年は、開く事が出来なかった海岸も、今年はいつものように海開きをしています。1年越しの海開きを心待ちにした賑やかな声が聞こえてきましたよ。さあ、近くのプールで泳ぎの練習をして、準備をしてから出かけましょう。泳ぎ方は誰に教えてもらいますか?お父さん、お母さん?それともスイミングスクールの先生かな。泳ぎのできないのねずみの"ぐりとぐら"は誰に教えてもらったのでしょうか・・・

のねずみの ぐりと ぐらが、なみうちぎわであそんでいると、
なみに ひかるものが うかんでいます。
「おや、あれは なんだろう? ぼくたち およげたら みにいくんだけどな」
ながれついたのは、とうもろこしの かわを おなかに まいた びんでした。
ぐらが さきの とがった かいがらを ひろってきて ねじりこむと、ポン!と、
コルクのせんがぬけました。びんから でてきたのは、てがみと ちずと うきぶくろ。

ぐりと ぐらは ちずを みました。
「みなみへ みなみへ いくと・・・ほら、ここが しんじゅ・とうだい、
よし、いってみよう。」

うみは はじめて ぐりと ぐら なみに ゆられて だいぼうけん 
あわてちゃ だめだめ ぐりと ぐら のんびり いこう どこまでも

とつぜん うみのまんなかに、まあるい あたまが うかび
「ほーい、しんせつな ともだちー」と、よびました。
「あ、うみぼうずだ、おーい」ぐりと ぐらも てをふりました。
「さあ、ひっぱっていくぞ、うみぼうず・およぎだ!」と、
ぐりと ぐらのうきぶくろを つかみ、いきよいよく みずをけりました。
その はやいこと! 
「ここが、しんじゅ・とうだい。しんじゅの ランプをみがくのが、おいらの しごと」
なのに、うみぼうずは、じんじゅを いわのあなに おとしてしまって しょんぼり。
ぐりと ぐらは いわをのぞきました。「ぼくたちが ひろってきてあげよう」 
さて、ぐりと ぐらは ぶじに しんじゅをみつけることができたでしょうか・・・・

   お待たせしました。やっと"ぐりとぐら"の登場です。これほど長い間、多くの人に愛されている絵本はありません。1963年、雑誌「母の友」の読み切りのお話として誕生しました。そのときは『たまご』という題名だったそうです。あれから、ほぼ半世紀がたちました。そういえば、弟が「ぐりとぐら」のページを開いては、ふかふかの黄色いカステラをよく母にねだっていました。私自身も何度となく夢に見たものです。今回は、"ぐりとぐら"の海辺のお話です。そうかあ、"ぐりとぐら"って泳ぎが出来なかったのねって、初めて気がつきました。でもどんなことにでも挑戦を忘れない2匹は、うみぼうずのお陰で、ちゃんと泳げるようになってしまうんです。いぬかき、くらげ・およぎ、くじら・およぎ、バタフライ、イルカ・ジャンプまでやってのけてしまうなんて、すごい!

   一緒に絵本を読んでいたお父さん、なんだかそわしわしていませんか?もしかしたら、お父さんたちも、"うみぼうず"にこっそり泳ぎを教えてもらっているかもしれませんね。だって、"うみぼうず"って、逞しくて頼もしい、まるで海の守り神のようですもの。

(赤鬼こと山ア祐美子)

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