3月11日午後2時46分頃、四方を海に囲まれた緑豊かな私たちの国は、巨大な地震に見舞われました。 化け物のような津波が襲い、あらゆるものをのみこんでしまいました。 沢山の大切な命が奪われ、今も行方の分からない人々がいます。 皆さんの近くにも悲しみを抱えておられる方もおいでになるかと思います。 どうか一日も早くいつもの生活が取り戻される事を願います。 私たちは、被災された方々に想いを寄せながら、少しでも前に進む事が出来るように一つ一つ小さな春を見つけて届けられたらと思います。 さあ、14ひきと一緒に出かけてみましょう、きっと新しい出会いが待っています。

きょうは、なんて　いい　てんき。　みんなで、はるの　のはらへ　でかけよう。
おにぎり　もって、すいとう　もって、うれしいな、ぴくにっく。
はるの　ひかりが　あふれてる。ぴーぴー　ないてるよ。
ぜんまいが、むっくり　かお　だした。　あまがえるも　めを　さます、くえっくえっ
ほら　みて！くんちゃん、すみれの　はな　みつけた。
のはらに　でたよ。ひろいな。そらが、どこまでも　つづいているね。
ほっ　ほっ　ほーい、のはらを　はしろ。はるの　かぜ、はるの　におい。
のっそり　のっそり　ひきがえる。
あっ、これ　なあに？　かえるの　たまごだよ。
みんな　ならんで、つくしんぼの　みち、タッ　タッ。
とのさまがえるが、おがわを　ぴょーんと　とびこえた。　にっくん、ごうくん、
まけずに　ぴょーん。そーら、はっくん。あっ　ろっくんも・・・・じゃぼーん！
ふわふわ　わたげ、どこいくの？
あおい　そらに　たんぽぽの　たね、まきに　いくの？
ああ　おなかが　すいた。　たんぽぽのはらで　おべんとう。　おいしいな。
きょうは　ほんとに　いいてんき。


   みんなも大好きな14ひきシリーズの「ぴくにっく」です。 私の書棚には、最初の「ひっこし」がありました。 この絵本から数えて今や12冊になり、フランス、ドイツ、アメリカ、台湾など世界中を、14ひきが飛び回っています。 今の季節には何といっても「ぴくにっく」がお勧めです。 シリーズのどの絵本もページをめくるたびに新しい発見と出会いがあって、ドキドキわくわくの連続ですが、特にこの「ぴくにっく」はおひさまの温かさ、差し込む光の柔らかさ、お弁当のおにぎりの香りまでしてきそうです。 とってもおいしそう！すぐにでも出かけたくなります。 都会にいると、こんなところがあったらいいなあって羨ましく思いますが、蛙の卵を見つけられなくても、つくしの道を歩くことができなくても、ほほに触る風に春の匂いがしたら、きっと近くに14ひきがいるような気がします。 こっちこっちって、14ひきが手を振っています。春のゲートから駆け足、よーいドン！！