この冬は、方々で雪深い日々が続きました。
でも、どんなに硬くなった雪もお日様の力で必ず溶けてゆきます。
あたりの空気も少しずつ、緑の匂いがしてきそうです。
厳しい寒さだからこそ、待ち遠しいのが春ですね。
花の蕾も木々の芽も、今か今かとその日を待ちながら、じっと我慢をして待っています。
私たちも、心待ちにしましょう。
「待つ」ということは、心が動かないようで本当は、いっぱい動いています。
だからわくわくするのですよね。
ほらっ、"待ちきれない"って、女の子の声が聞こえます、何を待っているのかな・・・
いいこと おしえてあげようか?
おとなりの いぬに あかちゃんが うまれるの。
いっぴき わたしが もらうんだ!
この おなかのなかに こいぬが いっぱい はいっているんだよ。
もうすぐ うまれるって。 ああ、 まちきれない。
・・・かあさんいぬは あしを ふんばる。 いきんで あかちゃんを おしだす。
いちばんめの あかちゃんが でてきた。 ふくろには いっている。
・・・こいぬは ぜんぶ そろった。かあさんは ぴったり よりそう。
おっぱいを すわせながら こどもを なめてやる。
いっぱい おのみ、あんしんして おのみ。 そういってるようだ。
どの こいぬも みんな かわいい。 でも、わたし これに きめた。
この いぬを もらうんだ。 なまえは ソーセージ。
・・・めは みえない。まぶたが くっついている。
みみも きこえない。あなが ふさがっている。・・・だけど、こえは だす。
かあさんから ひきはなすと すぐに なきだす。
おっぱいの すいかたを ちゃんとしっている。
ゆびを もっていくと すいついてくる。・・・はやく いっしょに あそびたい。
だけど、いぬは のんで ねるばっかり。おおきくなるのに いそがしい。
だから そっとしといてあげる・・・・・さあ、がんばれ、ソーセージ!
今でも、アメリカで大人気の写真絵本です。
絵本の中には、写真で表現されるものも沢山あります。
写真手法はリアルな様でありながら、絵とは違った奥深さがあります。
この絵本も子犬の誕生という、生物としての生々しい現実を写しながらも、それ以上に母犬の子犬への愛情がきめ細やかに伝わってきます。
手にする子供たちにとっては、興味深々な事柄であり、学ぶ場面も多いことでしょう。
子犬の誕生シーンを知ることで、自分に振り返る事ができます。
子供たちからのご両親に向けての質問もあるかもしれません。
その時はまっすぐ受け止めて、子供たちと命の事を話す機会になったらいいなと思います。
命を想うことは、自分の命の事だけではなく、自分につながる命を想う事につながりますから。
(赤鬼こと山ア祐美子)
戻る