学校法人 聖愛幼稚園
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赤鬼からの手紙(2010年8月号)



『かけぶとんさん しきぶとんさん
まくらさん』

高野文子 / 作・絵

福音館 / 発行

410円(税込)

   真っ青な空に、入道雲が高く高く湧きあがってきました。どこまでも、もくもくと昇っていく姿はまるで生きているようです。きっと、ひまわりもぐんぐん伸びていることでしょう。夏は、みんなの体もグーンと伸びる季節です。海やプールで泳いだり、山登りや高原で虫取りをしたり、楽しいことが沢山待っています。いっぱい遊んで、おなかいっぱい食べて、それから、それから、いちばん大事なことは、たくさん寝ることです。あれっ、何だか不安そうな顔をしたお友達がいそうです、寝るのが心配・・・・?大丈夫、大丈夫・・・

しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん
あさまで よろしくおねがいします あれこれ いろいろ たのみます
しきぶとんさん しきぶとんさん あさまで ひとつ おたのみします
どうぞ わたしの おしっこが よなかに でたがりませんように
まかせろ まかせろ おれに まかせろ
もしも おまえの おしっこが よなかに さわぎそうに なったらば
まてまてまてよ あさまで まてよ おれが なだめておいてやる

かけぶとんさん かけぶとんさん あさまで ひとつ おたのみします
どうぞ わたしの てと あしを さきの さきまで あたためてください
まかせろ まかせろ おれに まかせろ
ても あしも ひるま ころんで ちのでた ひざも
なめて さすって あっためて おれが なおしておいてやる

・・・・・さいごは、まくらさん、まくらさんには、なにをたのんだのでしょうね。


   吉祥寺という町に「トムズ・ボックス」という本屋さんがあります。 小さな店内には、厳選された絵本や読み物が沢山並んでいます。 季節ごとに、絵本作家の原画展も開催され、都内ではお気に入りの本屋さんの一つです。 先日立ち寄ると、いつもカウンターにいるおねえさんが、 「不思議な絵本があるんですよ、じわりじわりとリピーターが増え続けてるんです!」と勧めてくださったのが、この絵本です。 その場で読んでいたら、ほんわか、いい気分になって何だか眠くなってきてしまいました。おねえさんは、「ねっ!」て微笑んでいました。 わが子のおねしょの悩みを抱えたおかあさんも、絵本を手にしてはにこにこと買って帰るそうです。この絵本でおねしょが止められるかどうかは分かりませんが、おかあさんの気持ちが楽になるような気がします。 人生の半分は睡眠ですから、安眠できるかどうかは、子供にとっても大人にとっても大問題、「寝る子は育つ」も真実です。この夏、いい眠りでぐんぐん成長する子供たちを目の前で見られるのは、親にとって最大の喜びです。                  

(赤鬼こと山ア祐美子)


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