学校法人 聖愛幼稚園
〒400-0071
山梨県甲府市羽黒町618(地図
TEL 055-253-7788
mail@seiai.net



赤鬼からの手紙(2009年9月号)



『かいじゅうたちのいるところ』

モーリス・センダック / 作

じんぐう てるお / 訳

富山房 / 発行

1,470円(税込)

   今年の夏は、雨の日も多くはっきりしない空模様が続きました。計画していた海や山に行くことが出来ずに、家にいることになってしまったお友達もいたかもしれませんね。そんな時、家の中で大騒ぎをして、おかあさんを困らせてしまった子供たちはいませんか?この絵本の主人公は、とてもいたずらが好きな男の子。ある晩、とうとうおかあさんを怒らせてしまって、部屋に閉じ込められてしまいました。ところが、不思議なことが・・・

ある ばん、マックスは おおかみの ぬいぐるみを きると、いたずらを はじめて おおあばれ・・・おかあさんは おこった。「この かいじゅう!」 マックスも まけずに、「おまえを たべちゃうぞ!」とうとう、マックスは  ゆうごはんぬきで、しんしつに ほうりこまれた。すると、しんしつに、にょきり  にょきりと きが はえだして、どんどん はえて、もっと もっと はえて、てんじょうが、 きのえだと はっぱに かくれると、かべがきえて、あたりは すっかり もりや のはら。 そこへ、なみが ざぶり ざぶりと うちよせて、マックスの ふねを はこんできた。 ・・マックスは、1ねんと 1にち こうかいすると、そこは かいじゅうたちの いるところ。 かいじゅうたちは、すごい こえで うおーっと ほえて、はを がちがち めだまを  ぎょろぎょろ つめを むきだした。マックスは 「しずかに しろ!」と どなりつけ、 かいじゅうならしの まほうを つかった。マックスは かいじゅうたちの おうさまだ。 「では みなのもの!かいじゅうおどりを はじめよう!」・・・それから マックスは?

   モーリス・センダックは、とても大好きな絵本作家のひとりです。センダックの描く子供たちは、 とても伸びやかで、子供たちの持ついろんな顔を見せてくれます。特に、目の動きの表現が体の動きに伝わり、 生き生きとしてきます。たった今、絵本のページの中でその子が何を考え、何をしようとしているかが わかってくると、センダックの独特の世界がひろがり、ワクワクしてくるのです。 この「かいじゅうたちのいるところ」は、マックスの表情を見ているだけで、 こっちも楽しくなって絵本の中に飛び込んで、一緒にかいじゅうおどりをしたくなってきます。 そして、マックスがさんざん踊って、遊んで、どんなことをしても、必ず、帰る場所が待っています。 暖かいスープの匂いがマックスを包んでいます。ほっとしたマックスは思わずにっこり。 お母さんの笑顔が見えてきそうです。アメリカのオバマ大統領がイースターのお祭りで、 大勢の子供たちに読み聞かせをしたのが、この絵本です。 大統領のかいじゅうおどりも飛び出して、子供たちは大喜びでした。 きっと、ご家庭でも普段から、娘さんに絵本を読んでおられるに違いないと思いました。 また、なんと10月には、この絵本が実写版映画になって登場します。 映画の予告も観ましたが、絵本の雰囲気を壊すことなく、センダックの絵本の世界を表現できているように 思えました。日本では、来年の1月に公開の予定だそうです。とても楽しみです!!
                 

(赤鬼こと山ア祐美子)


戻る



Copyright © 2009, SEIAI Yochien.
本ページと付随するページの内容の一部または全部について聖愛幼稚園の許諾を得ずに、
いかなる方法においても無断で複写、複製する事は禁じられています。
mail@seiai.net