学校法人 聖愛幼稚園
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赤鬼からの手紙(2008年6月号)



『しずくのぼうけん』

マリア・テルリコフスカ / 作

うちだりさこ / 訳

ボフダン・ブテンコ / 絵

福音館 / 発行

840円(税込)

                

   もう、南の地域では梅雨入り。そろそろ、雨具の用意が必要な気配の この頃です。雨が降ると、あたりの緑が一層鮮やかにきらきらします。 水には、いろんなものを輝かせる力があります。そんな大切な水、 そのひとしずくの大冒険のお話です。さあて、 何が起こったのでしょう・・・しずくの声に耳を傾けてみましょう。

   あるすいようび むらのおばさんのバケツから ぴしゃんとしずくがとびだした。しずくは ひとりぼっちでたびにでた。ところが とたんにねずみいろ あたりは ほこりでいっぱい。みずのしずくはきれいずき みずはきれいでなくちゃ・・・そうだ せんたくやさんにいってみよう。ところがおみせはドライクリーニング しずくがかわいてしまう。 それなら おいしゃさんにいってみたら ばいきんだらけのしずくをきれいにするには  なべでぐらぐらにるんですって?そんなことはいやよ まっぴら!しずくはにげだした。おひさまがぎらぎらてりつける これはどうしたことでしょう?しずくはみえなくなって くものところへのぼっていく みるまにくろくもひろがって しずくはあめになって ぱらぱら じめんにあともどり。おちたところが いわのわれめ あれあれ どんどんひえてきた しずくはさむくてぶるぶる とうとう しずくはこおりのかけら。でも そのちからのつよいこと ダイナマイトみたいに いわをこなごなにしちゃった。それからそれから、まだまだ、ぼうけんはつづいています、さいごにしずくがたどりついたのは・・・・

    絵本のジャンルに科学絵本と呼ばれるものがあります。この絵本もその一つ、とも言われています。科学絵本といっても難しいわけではありません、内田さんの翻訳された言葉のテンポが良くて、リズムがあって、読んでいても楽しくなります。1965年、ポーランドで描かれた作品、もう40年以上も読み継がれている人気の絵本です。

   「水道の蛇口をひねって、水はどこからくるの?どうやって?」

   その?が科学の始まりです。今、子供たちの理科離れが話題になっていますが、授業の時間を増やすことより、子どもたちに、幼児期から科学への入り口を創ってあげることが重要だと思います。そういう絵本が沢山あります。子どもたちが、あれ?なぜ?どうして?と思った時に、誰かがそばにいてあげること、子どもたちが感じた、不思議の瞬間を逃さない事が大切です。そして、これは私自身の反省でもありますが・・・子どもたちからの質問に、安易に、適当に答えるのも、あんまりいいことではないですよね。親自身も子どもと一緒に不思議がることで、子どもたちの科学への扉は、どんどん開かれていくことでしょう。もしも、子どもの質問に困ったら、絵本を探してみてください。必ず答えが見つかると思います。

(赤鬼こと山ア祐美子)


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