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書き下ろし連載130
助け合うこと
ルカ福音書5章30−32節

細井保路

   ファリサイ派の人々や律法学者たちはつぶやいて、イエスの弟子たちに言った。「なぜ、あなたたちは、徴税人や罪人などと一緒に飲んだり食べたりするのか。」イエスはお答えになった。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、つみびとを招いて悔い改めさせるためである。」

   イエスさまが弟子の家に招かれて食事をしていたとき、そこに、宗教上のルールを守らないような人たちもたくさん集まっていたのを、真面目なファリサイ派のひとたちが見とがめます。 そのときのイエスさまの答えが、「医者が必要なのは病人」ということばでした。 私たちは、健康状態がよいときには、何も苦労せずに思った通りに行動できます。 そして、もたもたしている人がいれば、邪魔だとさえ思ってしまうのです。 自分が具合が悪くなって初めて、自分の事情を考慮してほしいと思うのです。 いつでも、さまざまな事情を抱えた人がいることを私たちは忘れています。 できれば考えずに、気づかずに過ごしたいと思っているのです。 そのほうが楽だからです。

   ファリサイ派と言われる宗教上のルールをきちんと守りたい人たちにとっては、ルールを守れないような人たちと一緒にいることはとても不愉快なことでした。 掟や作法を心得た人たちばかりが集まっていれば、何ごともスムーズに遂行されるからです。 その気持ちは、わたしたちもよくわかります。 いちいち説明しなくても共通の理解ができていれば、ものごとは順調に進むし、助けてあげなければいけないような人がいなければ、人のことを心配する必要もなくなるのです。 でも、それでいいのですか?というのが、イエスさまがいつも投げかけるメッセージなのです。

   私たちが、自分の生活の快適さや効率のよさだけを追い求めていたら、助けを必要とする人はどうなるのか。 ときどき立ち止まって考えてみたいことです。


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