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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載124
山が動く
マルコ福音書11章23−26節

細井保路

   「誰でもこの山に向かい、『立ち上がって海に飛び込め』と言い、少しも疑わず、自分の言うとおりになると信じるならば、そのとおりになる。だから、言っておく。祈り求めるものはすべて既に得られたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになる。また、立って祈るとき、誰かに対して何か恨みに思うことがあれば、赦してあげなさい。そうすれば、あなたがたの天の父も、あなたがたの過ちを赦してくださる。」

   祈ったら何でも叶うとイエスさまはおっしゃいます。でも、わたしたちは経験上そんなことはあり得ないと思ってしまいます。イエスさまは「夢はいつか叶う」というような甘ったるいことを言いたかったのではなくて、「祈るということは、本気で今、この瞬間を大切にすることだ」と教えたかったのです。「今」という時を大事にすることが「祈る」ことなのです。

   今を大事にするならば、心配事を抱えて不安でいっぱいの気持ちで過ごすのではなくて、その思いは神さまに捧げ、良い結果を祈るか、あるいは、自分に今できることを始めればよいのです。過去の恨みを引きずっているなら、その思いも神さまに捧げ、少なくとも今は問題にしないようにすればよいのです。

   今を大事にすることは、この先出会うことの悪い面を想像してあれこれ思い悩むのではなくて、良い面、すばらしい面を思い描いてそのすばらしいことに出会ったときにしっかりとそれを受け止められるように気持ちの準備をすることです。

   「本当に必要ならば山は動くのだ」とイエスさまはおっしゃいます。私にとって動いて欲しい「山」は何でしょうか。たとえば本気で社会のある問題を解決したいと願うならば、私が取るべき行動も見えてきます。でもその一歩を踏み出す勇気はなかなか生まれてきません。だれもが勇気を持てば現状は必ず変わります。そこまでの勇気はなかなか持てなくても、今を大切に生きる姿勢を育てていくことは誰にでもできるはずです。


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