「あなたがたも知っているように、異邦人の間では、支配者と見なされている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、すべての人のしもべになりなさい。人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」
人より優位に立ちたい。人より得をしたい。誰の心にもそういう感情が潜んでいます。だから、認められなかったり、無視されたり、損をしたりするととても腹が立つのです。それに対してイエスさまは、「仕える者になれ」とおっしゃいます。
自己卑下しろとか、我慢しろということとは違います。そうではなくて、本来人間には、自分の命を差し出すことができるほどの「やさしさ」が与えられていることを誇りに思いなさいと言われているのです。さすがに「命を差し出す」というのは大げさですが、相手の幸せを優先する気持ちは、誰もが持っているものです。本気で相手の幸せを願うならば、そのとき私たちは自然に「仕える者」になっていなます。
もうすぐクリスマスがやって来ます。イエスさまの誕生を祝う日です。キリスト教ではイエスさまを「救い主」と言います。私たちの心の中にある相手の幸せを願う気持ちを神さまからいただいたメッセージとして大切にすることこそが「救い」なのだと教えてくださった方だからです。生まれてきた赤ちゃんが幸せになってほしいと願うその気持ちは、まさに、すべての人の救いを望んでおられる神さまの思いと同じものです。
クリスマスのお祝いを楽しむだけでなく、この機会にあらためて大切な人の幸せを祈りましょう。そして、誰にも大切な人がいることを思い出しましょう。さらに、みんなが幸せになるように祈りましょう。
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