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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載119
何を優先するか
マルコ福音書10章13−16節

細井保路

   「イエスに触れていただくために、人々が子どもたちを連れてきた。弟子たちはこの人々を叱った。しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。『子どもたちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子どものように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。』そして、子どもたちを抱き上げ、手を置いて祝福された。」

   私たちは、目的を持って行動しています。目的などははっきり意識していなくても、やらなければならない仕事を抱えて生活しています。休みの日でも、やるべきことがいっぱいあります。イエスさまも、私たちと同じように、やるべきことを思い定めて、優先順位をつけて行動していたのです。そして、その優先順位からすれば、勝手にやって来る親子連れに関わっている時間など無かったに違いないのです。少なくとも、イエスさまと一緒に行動していた弟子たちにはそう思えました。だから、弟子たちは、イエスさまを煩わせないようにとの心遣いで、子どもたちを追い払おうとしたのです。

   しかしイエスさまは、その弟子たちの行動を強く叱責します。子どもたちの純粋なまなざしの中に、「神のまなざし」を見つけたからだ言うことができます。大きく、優しく、温かい神のまなざしを感じさせるようなものに出会ったら、わたしたちは、仕事の優先順位など度外視して、ほんの一瞬でもそのまなざしを受け取り、感じ取ることが大切だと弟子たちに教えられたのです。

   子育てに煩わしさを感じるのは、ただでさえやらなければならないことが多いのに、子どものために繰り返しそれを中断させられるからです。でも、その時にちょっとこのイエスさまの行動を思い出してみましょう。子どもとアイコンタクトをとるだけでも、ちょっと抱き寄せてあげるだけでもいいのです。やさしいまなざしを取り戻すことこそが最優先課題であることを思い出しましょう。


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