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認定こども園 聖愛幼稚園

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書き下ろし連載97
相手の思いに寄り添う
ヨハネ福音書4章46〜54節

細井保路

   人に裏切られると、人を信じることができなくなります。 人に傷つけられると、人に心を開くことができなくなります。 反対に、人が受け入れてくれれば、人を信頼することができます。 人が寄り添ってくれれば、人と一緒に幸せを見つけることができます。

   イエスさまに出会って、病気が癒されたという話が、聖書には何度も出てきます。 この話もその一つです。2、30キロ離れた町に住む人が、死にそうなわが子のために、来て祈ってくれと頼みます。 イエスさまは、子どもは回復するから信じなさいと言って、彼を家に帰します。 イエスさまは、冷たく追い返したのではなく、まず彼の訴えを聞いてから、「あなたたちは、何か証拠がなければ信じられないかもしれないけれど、大丈夫だから、信じて帰ってごらんなさい。」と言ったのです。 人の苦しみや辛さを訴えられるとき、私たちは自分まで辛くなるので、できれば聞きたくないと思ってしまいます。 そして、聞いてもらえなかった人は、自分の辛さの上に、さらに、相手が理解してくれないという辛さを味わうことになります。

   イエスさまがなさったことは、苦しみを抱えている人の気持ちに寄り添い、受け入れるということです。 「助けてください」という願いが、真剣に受け止められたなら、そのとき人は、信頼できるものに出会うのです。 そして、希望を持つことができるようになります。 その延長上で、奇跡とも思える問題解決は起こり得るのです。 イエスさまに出会うという幸運は、つまり、裏切ったり、傷つけたりしない方に出会うという幸運です。 人の心の奥底の願いを真正面から受け止めることなど、神さまではない私たちにはまず出来ません。 しっかりと気持ちを受け止めてくださるイエスさまに出会った人々は、まさに神さまの愛に出会ったと感じたのだと思います。

   イエスさまにならって私たちも、不完全ながらも、お互いに相手の気持ちに寄り添い、受け止めることができるように努力したいものです。 特に、わが子が信頼して気持ちを打ち明けられるような関係を大事にしましょう。


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