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書き下ろし連載96
人の幸せを願う
ヨハネ福音書4章31〜38節

細井保路
                

   あるとき、弟子たちがイエスさまに食事を勧めると、イエスさまは、「私にはあなたたちが知らない別の食べ物もある」と言われました。 そして、「私の食べ物とは、私をお遣わしになった方の御心を行い、そのわざを成し遂げることだ」と続けます。

   生きるために必要なもののなかでも一番切実な「食べ物」を例にあげて、イエスさまは、私たちに大切なことを伝えようとなさったのです。日々いのちを繋いでいくために最低限の食べ物が必要です。それを得ることは、人間としての権利であると言えます。「守られるべき権利」とは、安心して眠れる場所とか、自分の意志で行動できる自由とか、色々ありますが、そんな当たり前のような権利が奪われている人たちもいるのです。私たちは、ニュースでそういう話を聞くたびに心が痛みます。だれもが幸せにならなければいけないのに、たくさんの人たちが傷ついているのです。

   イエスさまが弟子たちに教えたと言われる「主の祈り」の中にも、「必要な糧を与えてください」という言葉が入っています。誰にとっても必要な恵みが与えられるようにと祈ることは大事なことです。そして、さらに、この祈りの前半には、「(神の)御心が行われますように」という言葉があります。これはまさに、イエスさまが、「私のもう一つの食べ物」とおっしゃっていることなのです。

   神の御心が、すべての人が幸せになることであるのならば、まず、自分の幸せを願い、そして今幸せを感じていることに感謝し、さらに、今辛い思いをしている人にもこの幸せが届くようにと願う心の豊かさを身につけたいものです。

   そして、イエスさまが「食べ物」にたとえた大切な精神を、私たちはまさに、食べ物を頂くたびに思い出すことができるのです。食事の前に「いただきます」と言うとき、食べるものをいただくことができる幸せを思い出し、ついででもいいから、この幸せを誰もが味わえますようにという願いを添えたいものです。


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