学校法人 聖愛幼稚園
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書き下ろし連載26
人の心には神が宿る
マタイ福音書1章3節

細井保路
                

   イエスさまの誕生を祝うのが、クリスマスの始まりです。そして、イエスさまの誕生のエピソードは、マリアさまが、救い主の母となるというお告げを天使から受けるというところから始まります。 その話のあとで、実は、これらのことは、ずっと昔から言われている預言の実現なのだという説明が加えられています。

   その預言とは、旧約聖書のイザヤ書7章に書かれている言葉で、「インマヌエルという名の子どもが生まれる」というものです。インマヌエルという名前は、イスラエルの人たちの言葉で、「神は共にいてくださる」という意味なのです。

   この言葉は、生まれてくるイエスさまのことを指している、と聖書は説明します。たしかに、大人になったイエスさまが、その短い生涯をかけて伝えたのは、「神が共にいてくださる」というメッセージでした。しかし、私たちは、こと言葉から、私たち一人ひとりの心の中心に、誰にも侵されることのない、尊い場所があることを想い起こすべきなのです。

   仏教でも、すべてのものに仏性が宿るという表現があります。存在するあらゆるものは、尊いいのちを宿しているのです。だから、大切にされなければいけないのです。

   キリスト教では、「人は神さまの似姿」とか「人は神さまが宿る神殿」とかいう言い方があります。出会うすべての人に謙虚に頭を下げることができたら、とてもすばらしいことです。自分が育てているわが子に対しても、その尊さに頭を下げる気持ちが必要です。

   でも、何よりも、自分自身の内に、尊い存在があるという感覚を大事にすべきです。それは、だれにも侵されることはないけれど、自分で汚してしまうことはありうるのです。他人を蹴落としてでも競争に勝たなければとか、きれいごとを言っていては生きていけないとか、そういう感情に流され続けた結果、心の奥底の尊い場所が、見当違いの欲望で埋め尽くされてしまうことがないようにしたいものです。


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