「疲れた者、重荷を負う者は、だれでも私のもとに来なさい。
休ませてあげよう。」とイエスさまはおっしゃいます。
休んで、生き方の基本を学び直しなしなさいとおっしゃるのです。
これは、スポーツでも同じことです。基本を学んでスポーツを始めても、
いつの間にか、自己流になります。自己流を続けていると、どうしても、
無理をして故障したり、スランプに陥ったりするものです。
そういうときは、少し休んで、まず疲れを取り、それから、
基本を思い出す必要があります。
イエスさまは、生きるための基本は、「柔和と謙遜」だと言われます。
前回、祈りについての話の中で、「無理をせずに、謙虚さと穏やかさを
いつも保って過ごせるために、祈ることが大切」だと書きましたが、
生活の疲れを癒すためには、まさにこの謙虚さと穏やかさを取り戻す
ことが必要なのです。
謙虚になることは、自分の無力さを認めることです。無力を認めるだけ
なら、単なる自己卑下ですが、その私がたくさんの人に助けられ
支えられているということに気づくなら、そこから感謝の気持と、
人の応援に応える力とが湧いてくるはずです。心に余裕ができて
穏やかな気持ちになれれば、さらに多くのことを、人に、そして神さまに、
お任せすることができるようになります。そうすることによって、
信頼の心が育つのです。
そう考えると、イエスさまがおっしゃる「柔和と謙遜」という
キーワードは、「信頼と感謝」という言葉に置き換えてもよいの
かもしれません。あるいはもっと違う言葉をみつけることもできる
でしょう。いずれにしても、疲れを感じたときは、生き方が、自己流
になってしまっているときです。善意が空回りしたり、自分を認めても
らおうとしすぎたり、そういう自己流で気持ちが乱れてきたときに、
立ち帰ることのできる基本姿勢をつかんでおくことは、とても大切な
ことだと思います。あなたの「基本」をみつけてください。
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