学校法人 聖愛幼稚園
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書き下ろし連載10
主の祈り
マタイ福音書6章9〜13節

細井保路
                

   「天にましますわれらの父よ」という言葉で始まる「主の祈り」を ご存知の方も多いと思います。この祈りは、イエスさまが 直接に教えてくださった祈りなので、「主の祈り」と名付けられて、 教会で大切にされています。 前半は、神さまの「御心」が実現しますように。 後半は、必要な力をください、ゆるしてください、守ってください、 という願いです。

   神さまのお望みが何であるのか、具体的にはよくわかりません。 細かい指示を出してくださるわけでもありません。 しかし、聖書をよく読むならば、神さまのお望みは、 社会の隅々にまで、どんな小さな人にも、神さまの恵みが 行きわたることであるのは明らかです。 その願いをいつも胸に秘めながら、現実には、出会う人々、 特に私たちに与えられている家族を大切にすることから 始めればよいのです。そして、私たちは弱いものですから、 力をください、ゆるしてください、守ってくださいと 祈ればよいのです。

   よく、キリスト教の書物には、祈りとは、願いごとばかり することではなく、神さまと対話することだ、と書かれていますが、 私は、願いごとも立派な祈りだと思います。自分の力ではどうにも ならないことを認めるところから出発するのですから、「願いごと」 こそ、神さまへの大きな信頼のあらわれです。 大きな信頼をもって神さまに向かうことこそが、「主の祈り」の 一番のテーマなのです。だから、「天のおとうさん」という呼びかけで、 この祈りが、始まるのです。

   日本語の限界で、皆で祈る時に、「お父さん」というのはちょっと 気恥ずかしですから、他人行儀な「父よ」という訳語を当てていますが、 イエスさまは、小さな子どもがお父さんやお母さんに信頼して、 甘えて呼びかけるように、神さまに呼びかけなさいと教えられたのです。


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