「空の鳥を見なさい」「野の花を見なさい」とイエスさまは言われます。こんなに小さなものにも神さまのはからいは及んでいる。同じように、神さまは、あなたに何が必要かちゃんと知っておられる。だから、思い悩まなくていい、と言われるのです。
でも、悩みは尽きません。先のことまで心配しだしたら本当にきりがありません。イエスさまは、「明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労はその日だけで十分である。」とおっしゃいます。ずいぶん無責任な発言のようにも聞こえます。実は、イエスさまは、心配ごとの代わりに、「神の国のこと」で心を満たせとおっしゃるのです。
人間の心は、悩みごと、心配ごとでいっぱいです。おまけに外からも突っつかれて、心はしぼんでしまったり、ぺしゃんこにされてしまいます。いったんそうなってしまうと、なかなか頑張っても元気はでてきません。その状態から抜け出すための秘訣として、イエスさまは、「神の国」を求めなさい、と言われるのです。
神の国とは、神さまが自由に働かれる世界とでも言いかえることができます。しぼんだ心に「神さま」という空気を送り込めば、心は大きく膨らみ、まわりから押しつぶされそうになっても、内側からしっかりと支えてくれるのです。
自分の心の狭さを感じたり、人のせいで気持ちが落ち込んでしまったり、心配ごとでどうにも焦ってしまうようなとき、心の深呼吸をしてみましょう。いっぱい新鮮な空気を送り込んであげましょう。
イエスさまは、花が咲き鳥が遊ぶ自然の世界を思い出させることで、草原を渡ってくる風を思いっきり吸い込むような姿勢が、心のためにも必要だということを思い出させようとなさったのです。
心配がつのってきたら、心に風を送り込むことをイメージしてみましょう。そして、ときには、子どもと一緒に、実際に近くの野山へ足をのばして、神さまのはからいに任せる感覚をからだ全体で味わいましょう。
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