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赤鬼からの手紙(2008年3月号)



『おばさんのごちそう』

五味 太郎 / 作・画

絵本館 / 発行
1,260円(税込)

                

   春はお祝い事の多い季節です。家に、お客様をお招きしたり、お呼ばれしたりする 機会もふえます。お呼ばれするのは楽しみでワクワクしますが、お招きするのは 大変ですね。どんなおもてなしをしたらいいかと、何日も前から考えてしまいます。 中でも、お料理は一番頭を痛めますよね。そんな時は、このおばさんに助けて もらいたくなります。さあて、どんなごちそうがとびだしてきますやら・・・・

   お料理名人のおばさんのところに、今日もお客さんがやってきました。 おばさんはうでまくりをして、お料理をはじめます。 ふたりのお客さんは、おばさんのお料理をはじめていただきます。 いったい、きょうのごちそうはなにかしら・・・・・楽しみ、楽しみ・・・・・ 初めにおばさんが手にしたのは、小麦粉です。こねて丸めて、オーブンへ・・・ あっ わかったよ!パンだ、パンだ! つぎはなにかな・・・にんじん、レモンソースに角砂糖をおなべに たっぷりいれて、火にかけます・・・角砂糖?・・なんかへんねえ・・・ 次はなになに・・・大きなハムに花をのせて、フリーザーに いれちゃった・・花もたべるの?さいごは卵焼き、でも卵は一つだけ。 これで用意は全部できあがり、ですって・・・あとはしばらく待ちましょう、 ピーッ 時計が鳴った!お料理できた!さあて、パンは焼けてるかしら・・・ はあいできあがり!おばさんがオーブンから取り出したパンって! あれっ!あれれっ!あれれれっ!

   この絵本紹介を始めた時に、絵本選びを娘たちに相談したら、 最初に出てきたのが「おばさんのごちそう」でした。 これは、絶対外せないと、特に長女の一押しです。娘が幼い頃、 レモンソースのスープや焦げた目玉焼きをせがまれたり、時には、 冷凍庫を開けたら、雑草を乗せたハムが出てきたり、娘たちとの 楽しい思い出がたくさんあります。大人になった今でも、おばさんの ごちそうを食べてみたいと話しています。五味さんの絵本との強烈な 出会いでした。絵本の世界を変えてしまうほどのスケールの 大きさを感じます。これほど楽しい、絵本らしい絵本はないと、 どんな絵本もこの五味マジックにはかなわないと思ってしまいます。 私が好きなのは、おばさんの最後のことばです−"みんな 昔 わたし のお母さんに習ったものなのよ・・・"お料理は、母から娘たちに 受け継がれていくものなんだと思わされます。現在は、より大切な メッセージです。願わくば、一度、おばさんに変身してお客様を おもてなししてみたいですね。

(赤鬼こと山ア祐美子)


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