学校法人 聖愛幼稚園
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赤鬼からの手紙(2007年12月号)



『やまあらしのぼうやのクリスマス』

ジョセフ・スレイド  / 文

フェリシア・ボンド  / 絵

みやち としこ  / 訳

グランまま社  / 発行

                

   この季節になると、街の中は一年中でいちばんはなやかなかざりにつつまれます。 あかりもいつもよりあかるくて、いろんな色があふれています。夜になっても いつまでも昼のままのようで、ほしをみつけることもむずかしそうです。 でも、たいせつなたったひとつのほしは、いつでもどんなときでも、かがやいて、 わたしたちを見つめているのですから。
   もうすぐクリスマスがやってきます。もりのどうぶつのなかまたちも クリスマスのげき「かいばおけのあかちゃん」をやるんですって。 やまあらしのぼうやはとてもたのしみにしているのです。
  ― ぼく、どうしてもげきにでたいんだ・・・―
でも、じぶんのすがたをかがみにうつしてみては、かっこうわるいなあっておもっています。
  ― ほかのみんなと、ぼくはちがうんだ・・・―
ぼうやのからだには、とげとげがいっぱいついているから。でも、おかあさんはそのからだ じゅうのとげとげをほめてくれます。ぼうやはゆうきをだしてみんなのところにいくのですが、 やっぱりなかまはずれにされて・・・。
   「やーい、とげとげボール、とげボール!!」  とうとうぼうやはなきだして、いえにかえってきてしまいました。 おかあさんはそんなぼうやをぎゅっとだきしめながら「ぼうやは、 おかあさんのこころのひかり」となんどもつぶやきます。
   げきほんばんのひ。やくをもらえないまま、そうじがかりやぶたいがかりをがんばる やまあらしのぼうやにおこったすてきなことは、いったいなんだったのでしょう・・・。 ぼうやはクリスマスのげきの中でいちばんたいせつなやくをやったのです。 そのよる『おかあさんのこころのひかり』だったぼうやは、『みんなのひかり』になりました。
   クリスマスの絵本は本当にたくさんあります。初めて絵本と出会うのも このクリスマスの季節という人も多いかもしれません。この絵本は比較的新しい絵本です。 やまあらしのおかあさんのぼうやを見つめる目があたたかくて、やさしくて大好きなのです。 そしてこんなおかあさんになれたらと読むたびに思います。 今年も、この良き日神さまから授かった3つの心の光とともにすごします。

メリークリスマス!!  
                 

(赤鬼こと山ア祐美子)


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