学校法人 聖愛幼稚園
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書き下ろし連載6
はかり
ルカ福音書6章37〜38節

細井保路

   よく人に対して、意地の悪い批判を言う人がいます。そういうとき、 「その言葉は、むしろあなたに当てはまる。」と言い返したくなることがあります。 先月、「おおらかになれ」というお話をしたばかりなのに、こんな心の狭いことでは いけないのですが、残念ながら、私たちは一朝一夕にスケールの大きな 人間にはなれないのです。

   でも、そう言ってあきらめてしまわないように、イエスさまは、さらに、 実践すべきことを教えてくださいます。それは「裁かない」ということです。 本文をそのままご紹介しましょう。

   「人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。 人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。 赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。与えなさい。そうすれば、 あなたがたも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、 ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤(はかり)で量り 返されるからである。」

   「はかり」と言っているのは、枡(ます)のことです。枡と言ってもイメージが 湧かないかもしれませんね。私の子どもの頃には、どこの家にも一升枡というのがあって、 お米を計るときなどに使いました。今だったら、計量カップをイメージすればいいでしょう。 袋の口を開けて待っている人に、とびきり大きな計量カップで、じゃんじゃん お米を注ぎ入れてあげる場面を想像してください。何杯まで、などとケチなことを 言うのではなくて、袋から溢れるまで。

   このお話をしていて、ふと、砂場の光景を思い浮かべました。暖かくなったら、 子どもと一緒に、是非砂場で遊んでみてください。大きな器にどんどん砂を注ぎ 込んでみましょう。うれしい気持ちになれるはずです。バケツやスコップですくっては 注ぐという愉快な体験をしていれば、子どもがいつかこの聖句に出会ったときに、 「あ、あの感覚だ」と思えることでしょう。


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