学校法人 聖愛幼稚園
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書き下ろし連載5
悪人にも情け深い神
ルカ福音書6章27〜36節

細井保路
                

「敵を愛し、あなたを侮辱する人のために祈りなさい。
 右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい。
 人にしてもらいたいことを人にしてあげなさい。
 お返しを期待せずに与えなさい。
 神さまは、恩知らずの人にも、悪人にも、情け深いのです。
 神さまのようにあなたも憐れみ深い人になりなさい。」
この箇所のイエスさまの言葉を要約してみましょう。

   自分によくしてくれる人に報いるのはあたりまえで、 そこからは何も生まれない。損をしていない人間関係、帳尻が合ってしまっている人間関係は、 ただそれだけのものだ、とおっしゃるのです。 あきらかに、こっちの割が悪いとき、そこに「恵み」や「ゆるし」が生まれるのです。 これは、実は、誰もが当たり前に体験していることです。子育てをしている私たちは、 自分の力や時間を、子どものためにたくさん使っても「損をした」とは思わないはずです。 子育てを通して、私たちは、とてつもなくスケールの大きな愛を身につけるのです。 その愛を、わが子だけにではなく、誰に対しても持つようにしなさいとイエスさまは 言われるのです。何で自分だけがこんなに損な立場に立たされるのだろう、 と思うような時に、おまじないのようにこの聖句を思い出しましょう。 「神さまは悪人にも情け深い」。

   そして、「よし、全部ゆるして、こだわるのはやめよう」と思ってみましょう。 「敵を愛する」ことは、やせ我慢であっては意味がありません。子どもたちがケンカをしたら、 「右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい」などと教えてはいけません。 卑屈になるくらいなら、殴り返したほうがいいのです。ここで言われていることは、 あくまでも、「とんでもなくおおらかになれ」ということなのですから。


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