学校法人 聖愛幼稚園
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書き下ろし連載四十七
この子こそわが誉れ、喜び

新堀邦司
                
実に、あなたがたこそ、わたしたちの誉れであり、喜びなのです。
(テサロニケの信徒への手紙二章二〇節)

卒業や 遠嶺は雪を かがやかし
(島田 潮)

   三月は、卒園、卒業の季節です。 卒園児、卒業生が希望にあふれた未来へと巣立っていきます。 彼らを祝福するかのように南アルプスの山々が、ひときわ美しく 雪嶺をかがやかしています。

   聖愛幼稚園の卒園式は三月十八日に行われます。園児はもとより、 保護者のみなさんにとってもこの日は特別な喜びの日でしょう。 思いおこせば、幼稚園で過ごした月日は長かったようで、その実、 意外と短かったように思えるのではないでしょうか。目を閉じれば、 たくさんの想い出が次々と浮かんできます。 それにしても、お子さんの成長ぶりには驚かされます。 入園から卒園するまでのわずか数年の間に、知恵が増し、友人との 遊びを通して社会性が培われました。小さかった身体も 見違えるほど大きくなりました。それを象徴するのがお子さんの手です。 モミジのように小さかった手も大きくなり力強さを 感じさせるまでになりました。

卒業証書 持つ手大きく なりにけり
(原 明生)

   卒園式の日には、三二名の園児が大きくなった手で園長先生から 卒園証書を受け取ります。卒園証書と一緒に一人々々がその手で 未来をしっかりとつかみ取ることでしょう。 なんと晴れやかな光景でしょうか。卒園児は保護者のみなさんに とって大きな誉れであり、喜びであるにちがいありません。 お子さんがこれほど立派に成長できたのは、もちろん親の愛情と 努力のお陰です。それに幼稚園の先生方のよき指導があったことも 忘れてはいけません。それだけでしょうか。聖書は、お子さんの 成長は人間の業だけによるものではなく、そこに神様の力が 注がれたからだと言っています。

わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。
(コリントの信徒への手紙T三章六〜七節)

   一人々々のお子さんの上に神様の目が向けられ、愛の力が注がれていたのです。 卒園式の日には、そのことを神様に感謝しましょう。 神様は卒園後もお子さんを見守り、成長させてくださいます。 生涯を支え、導いてさらに、さらに大きく、立派な人間に成長させてくださいます。 これほど喜ばしく、ありがたいことはありません。 神様にとって一人々々のお子さんはかけがえのない存在なのです。誉れであり、喜びなのです。 お子さんが神様の祝福と恵のもとに豊かなこころを持ち、愛の人として 人生を歩まれることをお祈りしています。

   卒園おめでとうございます。


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新堀 邦司(にいほり・くにじ)先生

1941年2月 埼玉県に生まれる。
1963年 中央大学法学部法律学科卒業
2002年 本園の「せいあいだより」に寄稿開始。
東京YMCA学院院長。俳句結社「日矢」同人。
著書:『青年の使途』,『宣教師に育まれた料理人』,『海のレクイエム』
『愛 わがプレリュード』,『野尻湖物語』,『神を讃う』ほか




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