学校法人 聖愛幼稚園
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書き下ろし連載四十四
聖誕劇によせて

新堀邦司
                
彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
(マタイによる福音書二章九〜十一節)

   待降節に入りました。 もうすぐクリスマスを迎えます。 クリスマス会は、園児にとって最も楽しい行事です。イエスさまの誕生を 祝って讃美歌を歌って、聖書のお話を聞きます。中でも一番のメインイベントは 聖誕劇です。聖愛幼稚園では聖誕劇(ページェント)は欠かせない 年中行事になっています。園児たちも「ゆり(年長)組になればページェントに 出られる」というのが大きな楽しみになっています。聖誕劇にはたくさんの役が あります。生まれたばかりのイエスさまはキューピット(人形)が代行しますが、 それ以外の役は年長組の園児たちが演じます。羊飼いの役、博士の役、天使の役、 宿屋の役、そしてヨセフとマリアの役。どれをとっても聖誕劇には欠かせない役です。 聖誕劇では全ての役が主役です。神様は園児たちの成長ぶりをお喜びになり、 可愛らしい演技をほほえましくご覧になっていることでしょう。

   ところで、聖誕劇は保護者のみなさんにとっても 大きな楽しみになっているのではないでしょうか。

   先日、前園長の鈴木顕栄先生の追悼記念集「主はわたしに与えられた分」を お読みしました。愛宕町教会の牧師として、また、聖愛幼稚園の園長と してのすばらしいお働きぶりは多くの人々を導き、教え、支え、深い感銘を 与えられたことを改めて知らされました。追悼記念集には鈴木先生にお世話に なった方々が感謝の言葉を寄せていました。その中に、「幼稚園の聖劇、 大切な思い出」と題して、ある卒園児の母親が朝日新聞の「ひろば」に 先生の召天に際して忘れ難い聖誕劇の想い出を記していました。 「たくさんの人たちが一つの話題で語り合える共通のクリスマスの 思い出。卒園生とその家族、関係するみんなの大切な宝物です。ページェントは、 これからも毎年引き継がれていくことでしょう。」 聖誕劇は園児にとっても、保護者にとっても生涯忘れ難い、美しい想い出となることでしょう。

   イエス・キリストの誕生を通して、神様がわたしたち一人々々を愛し、 励まし、希望を与えて下さっておられるかを園児たちは幼いこころで しっかり学びとっています。ページェントは生涯消えることのない 希望の灯をわたしたちのこころに点し続けてくれることでしょう。

   今年も聖誕劇の準備が始まっています。園児たちがその日を待ち 望んでいる様子が目に浮かびます。 クリスマス会には家族みんなで出かけられるといいですね。 聖誕劇は園児だけでなく大人にも希望と喜びを与えてくれます。 クリスマス会はわたしたちと共におられる神様の愛を一層、 身近に感じる一時でもあります。

   「見よ、おとめが身ごもって男の子を生む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」  この名は「神は我々と共におられる」という意味である。(マタイによる福音書一章二三節)


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新堀 邦司(にいほり・くにじ)先生

1941年2月 埼玉県に生まれる。
1963年 中央大学法学部法律学科卒業
2002年 本園の「せいあいだより」に寄稿開始。
東京YMCA学院院長。俳句結社「日矢」同人。
著書:『青年の使途』,『宣教師に育まれた料理人』,『海のレクイエム』
『愛 わがプレリュード』,『野尻湖物語』,『神を讃う』ほか




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