学校法人 聖愛幼稚園
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聖書のお話
書き下ろし連載三六
神に育てられて成長する

新堀邦司
                
この頭の働きにより、体全体は、節と節、筋と筋とによって支えられ、 結び合わされ、神によって支えられ、結び合わされ、神に育てられて成長してゆくのです。
(コロサイの信徒への手紙二章八十九節)

  お子さまの入園、進級おめでとうございます。 春は希望の季節です。その象徴が甲府盆地を彩る桜と桃の花々です。 遠くに、雪を頂いた南アルプスの嶺がやわらかに霞み、盆地はまるで 美しい花園のように華やいで見えます。この光景は、厳しい冬の季節に 耐えた甲斐人(甲府盆地に生きる人)だけが目にすることができます。 神様から贈られる特別の祝福です。

  新しい出発にふさわしく、聖愛幼稚園の園舎は立て替えを終え、 お子様を迎えることができました。この喜びを皆様と分かち合いたいと思います。 この一年、神様の祝福を受けて保育を進め、お子様の成長を見守りたいと願っています。

  お子さまも年齢によって成長ぶりが違います。 新入園児にとっては記念すべき旅立ちの時期にあたります。 親の庇護の下にあった幼子が『幼稚園』という全く未知の世界に足を 踏み入れるのです。未知への世界への旅立ち、それはアドベンチャーといっても よいでしょう。入園当初は緊張したり、泣いて親のもとを離れたがらない お子さまも、やがて少しずつ心構えが固まり、お友達と遊べるようになります。 この変化、成長ぶりには驚かされます。 年中組、年長組のお子さんは、身も心も頭も一段として発育し、 頼もしくなります。子どもの成長ぶりを間近に目にし、見守るのは まことに喜ばしいことです。

  それにしても子どもの成長は不思議なものです。 子どもを成長させる力は一体どこからくるのでしょうか。聖書は、 子どもを成長させてくれる力(源)は神様であると語っています。 人間のいのちの源は神様にあります。聖書には、旧約聖書と新約聖書があります。 旧約聖書の一番最初には万物をはじめ、人間の誕生を記した「創世記」が 書かれています。「創世記」によると、自然も万物も人間のいのちも すべて神様によって創造されたものであるとかかれています。人間の誕生に ついては次のように書かれています。
「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形作り、 その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きるものとなった。」(創世記二章八節)

  一人ひとりに神様の息が吹き入れられて、いのちが与えられている。 「息」を神様の「愛」と言い替えてもよい。すべての人間は神様から愛を注がれ、 尊い命を与えられてこの世に誕生し、生き、成長していくのです。子どもは神様 からの授かりもの(贈りもの)と言われる所以はここにあります。

  では、こどもはどのようにして成長してゆくのでしょうか。もちろん、 家庭にあっては親が育て、教育します。親の愛情なしには子どもの成長は考えられません。 次に、幼稚園にあっては教師がお子さまの教育と成長にあたります。 これもとても大切な働きです。教師たちは使命感を持って一人ひとりのお子さまを指示し、 よき成長を助けます。そのことを喜びともしています。

   けれども、子どもは人間の側の教育、指導という営みだけで成長して ゆくものなのでしょうか。聖書は、子どもは「神に育てられて成長して ゆくのです」と語っています。子どもを育て、成長させる不思議な力の源は 神様なのです。子どもを育て成長させる働きは神様が主導権を 握っておられます。親と教師はその尊い子育てと教育の業に参加するように 神様から特別に招かれているのです。子育ての主役は神様であり、親と教師は その協力者ということになります。従って、子育てに悩んだり、困ったりした ときには素直に神様に助けを求めましょう。神様は何もかも先刻ご承知の はずですから、折々に必要な助けを必ず与えてくださいます。

  二〇〇五年度の歩みをはじめるにあたり、聖愛幼稚園の上に 神様の祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。


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新堀 邦司(にいほり・くにじ)先生

1941年2月 埼玉県に生まれる。
1963年 中央大学法学部法律学科卒業
2002年 本園の「せいあいだより」に寄稿開始。
東京YMCA学院院長。俳句結社「日矢」同人。
著書:『青年の使途』,『宣教師に育まれた料理人』,『海のレクイエム』
『愛 わがプレリュード』,『野尻湖物語』,『神を讃う』ほか




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