あなたがたは、以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて、
光となっています。光の子として歩みなさい。
(エフェソの信徒への手紙五章八節)
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春の訪れを私たちに感じさせてくれるのは太陽の光です。
一日ごとに日差しが強くなり、春らしくなってきました。
冬が長かったせいか、春の光のありがたさをつくづく感じさせられます。
子どもたちはいち早く体で春の訪れを感じ取っているようです。
保育室にいるよりも光の降り注ぐ園庭で存分に遊びたいと欲しているの
ではないでしょうか。天気のよい日に、いくつかの幼稚園の前を通り
かかったのですが、園庭は満開の花のように子どもたちでいっぱいでした。
光の子となって元気に園庭を駆けまわっていました。
聖書は、光についてさまざまのことを私たちに
教えてくれます。これからその光についてお話したい。その前に
光の反対―闇についてお話しなければなりません。
聖書では光の反対の闇のことを「罪」と呼んでいます。
「罪」とは何でしょうか。端的に言えば、神に対する反抗、反逆。
神に背を向けて生きること。神のご意志に逆らって生きること。
神を神として崇めず、自分を神として生きることです。聖書―とくに
旧約聖書を読むとこうした実例がたくさん書かれていて、人間は
いかに罪深い存在であるかに気づかされます。そしてこの罪こそが
深い暗闇をこの世界にもたらせてしまったのです。この暗闇は目に
見える世界というよりも、魂の中の暗闇といった方がわかりやすい
でしょう。魂の奥底にある暗闇が、憎しみ、猜疑心、ねたみ、攻撃心、
さらには殺意まで生み出し、人間世界を悲劇的なものにしてしまった
のです。残念ながら、人間の力ではこうした暗闇から脱出することは
できません。けれども、神様は私たちをそのような世界に放棄して
おくことを望んでおられませんでした。救い主イエス・キリストを
遣わすことによって人間の罪を贖われ、愛と希望をー大いなる光の下に
生きるものと変えてくださったのです。
<あなたがたは、以前には暗闇でしたが、
今は主に結ばれて光となっています。>イエス・キリストが
光となって私たちを照らし、魂の奥底まで明るくしてくださるのです。
光は明るく、温かく私たちを照らし、希望を与え、愛の心を育ててくれます。
人間の世界を平和で信頼に満ちた世界へと創り変えてくれるのです。
聖愛幼稚園では、すべての園児たちがイエス・キリストの
光に照らされ、愛と希望に包まれて「神様の子ども」として成長する
ようにと願い、祈りつつ保育を行っています。お子さまが「光の子と
して歩む」ようにとの思いを込めてこの一年の保育を続けてきました。
間もなく迎える卒園式を前にして、神様に愛され、守られて心身ともに
大きくなられたお子さまの成長を大変ありがたく思っています。
保護者方々のお力添えとご協力に感謝いたします。
卒園してゆくお子さまがこれからもますます神様に守られ、
愛されて成長されるように祈っています。お子さまたちは、四月から
ピカピカの一年生になって小学校の門をくぐっていくことでしょう。
聖愛幼稚園で育まれ、学びとった愛と希望の宝物を生かしていってほしい
と願っています。
あなたがたの光を前に輝かしなさい
(マタイによる福音書五章十六節)
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年少、年中組のお子さまも、この一年でずいぶん成長されました。
四月からは、それぞれ年中、年長組に進みます。
お子さまの成長に合わせるかのように、
この度、園舎も新しく生まれ変わります。
春の光の中で再びお会いできる日を楽しみにしています。
最後にもう一度。年長組のみなさん、ご卒園おめでとうございます。
保護者の皆様、長い間、聖愛幼稚園にご協力いただきありがとう
ございました。皆様のご家庭がいつまでも神様に祝福され、愛と希望の光に
照らされますようにお祈りいたします。
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新堀 邦司(にいほり・くにじ)先生