初暦　これより月日　美しく　　伊藤柏翠
  幸せの　待ち居る如く　初暦　　稲畑汀子

  この俳句は、新しい暦（初暦）に新年の夢と希望を 託して詠ったものです。昔は綴暦（とじごよみ）と呼ばれる日めくりの 暦が用いられていました。部厚い綴暦の一枚一枚には未知の幸せや 希望が隠されているように見えます。期待感に胸をときめかせながら 暦をめくるのは、日々の楽しみの一つでした。今日では一月ごと、 あるいは二月ごとにめくる暦が普及しています。中には一枚に まとめられた大きなサイズの暦もあります。時代の変化なのでしょうか、 日めくりから月めくり、あるいは一枚のものになるにつれ、 いつしか暦はカレンダーと呼ばれるようになりました。

  とはいえ、人々が新しいカレンダーに夢を託し、 幸せを願うのはいつの時代も同じです。皆さんも、新しい年 （二〇〇五年）が一日々々美しく、幸せに満ちたものであって ほしいと願っているはずです。なによりもわが子が健やかに、 かしこく、心優しく育ってほしいと願っておられることでしょう。

  そうした切なる願い、望みを誰に託したらよいのでしょうか。 日本では一般的に神社仏閣に願ってきました。お正月の三が日、 各地の神社仏閣が参拝客でいっぱいになる様を見ていると、 つくづくそう思わされます。

  聖書の世界では人間は神の被造物であるとされています。 人間だけでなく、自然界の生きとしいけるものはすべて神の手に よって造られ、いのちを与えられていると信じ、考えられています。 一人々々がこの一年をどのように生きるか、それは神のご意志の中に、 ご計画の中に置かれているのです。従って、人間は神に新しい望みを置き、 ご意志に沿って生きていこうと願い、祈ります。神は、必ずやそうした 願いと祈りに耳を傾け、祝福と幸せを与えてくださるに違いない。 旧約聖書の詩編の作者はそうした確信のもとに、神に祈り、新しい第一歩を 踏み出したのです。

  わたしたちも、神に信頼をおき、望みを託して 新しい年の歩みをはじめたいものです。きっと、神はその人（家族）を 祝福してくれることでしょう。

  思うに人間の希望とか願いは、まことにはかないものです。 すぐに潰えてしまうようなはかなさ、危うさがあります。 けれども、神がわたしたちに与えて下さる夢や希望はそのようなものでは ありません。それは、神のご意志、ご計画のうちにあるものだからです。 この一年、神に願いを託し、新しい目標と希望をいただいて歩んでまいりましょう。

  初暦　神の言葉の　しるされて　　　平田�c子

  カレンダーには聖書の言葉が記されているものもあります。 日々神の言葉を覚え、元気づけられて生きていけたらすばらしいことです。 聖句付のカレンダーがなくても心配はいりません。毎朝、聖書を開いて みて下さい。神様はきっとすばらしい、美しい聖書の言葉を贈ってくださる ことでしょう。

  この一年、皆様の上に神のお守りと導きが力強く、 豊かにありますようにお祈りいたします。